Photo by iStock

コロナの不安と苛立ちを「AI」が癒してくれるとしたら…

「認知行動療法AI」が現れた

認知行動療法の専門家が開発

新型コロナウイルスの影響で、人々の不安や恐怖が増し、分断や孤立が進んでいる。

他人との接触をできるだけ避けて距離を置き、仕事は可能な限り家で済ます。そのような暮らしの傾向は、我々がこのウイルスを克服した後も、ある程度続くのではないだろうか。

人は人との関係で傷つくが、人との関係で癒されもする。そうした密な人間関係が希薄になった時、私たちの心に寄り添ってくれるものは何なのか。有望な候補となりうるのがAI(人工知能)だ。

 

2020年3月、AIを活用したチャットボットサービス「こころコンディショナー」の試作版が、インターネットで無料公開された。精神科医や公認心理師らが行う認知行動療法の手法を使い、AIが利用者と対話するサービスで、認知行動療法の権威として知られる精神科医の大野裕さんが、メディア関連の企業と開発を進めてきた。

認知行動療法におけるAIの有用性について語る精神科医の大野裕さん(2020年3月12日、東京都千代田区の大野研究所で)

認知行動療法は、ストレスを感じた時に表れる極端な考えや行動を修正することで、気持ちを軽くするカウンセリング法だ。精神疾患の治療法として開発され、うつ病などへの有効性が確認されてきた。さらに、日々のストレスへの対処法としても効果があることがわかり、職場や教育現場など様々な領域で活用され始めた。

このサービスを、スマホで早速試してみた。ただし、テストのための試作版なので、完成時には大きな変更が加えられたり、大幅に進化したりする可能性はある。

まずは、AIに名前(匿名でもいい。私はSATOと記入)、年齢(年代)、性別を記入して伝える。すると、こんな質問が投げかけられる。

「では、さっそく始めましょう。今日はどうされましたか?」

ここで、画面にふたつの選択肢が表示される。AIの質問に答えながら気持ちを整理する「相談」か、言いたいことを好きなだけ書き込む「チャット」のどちらかを選ぶのだ。今回は「相談」を選んで進むことにする。