新学期が始まっていない

文部科学省が10日夜の時点で集計したところによると、今月から新学期を開始した国公私立の幼稚園や小中高校、特別支援学校などは全国で38%、緊急事態宣言が発令された1都7府県では6%(小中高は0%)にとどまるという。緊急事態宣言は5月6日までとされているが、一部では、宣言の解除時期の延長や休校措置の長期化を懸念する声が出始めている。

子どもたちにとっては、3月の全校一斉休業要請から始まって、夏休みよりも長い超長期休暇に入ってしまった。例年なら、始業式に入学式、クラス替えや新しい担任の先生の発表に一喜一憂し、春の息吹とともに子どもたちの声が校舎に響き渡る時期。春の運動会、林間学校、社会科見学と、学習体験は広がり、期待に胸を膨らませる新学期のはずだ。

それが今年の春は一変した。校門は固く閉ざされ、臨時登校日があっても短時間で、教科書や課題など必要なものを持ち帰るだけ。学校によっては、始業式も中止になり、新しい学年の教材は保護者が取りに行く措置をとったところもある。

そんな中、「学校、いつ始まるの?」という子どものため息にまじり、保護者からは先の見えない不安だけでなく、学習の遅れを心配し、一日も早く学びの機会を保障してほしいと願う声があがり始めている。萩生田文部科学大臣は10日の記者会見でICTを活用した教育に触れ、「全国レベルで見ますと、そもそもその学校にあるパソコンが5.5人に1台ベースでしか今までなかった」と残念がったが、今、保護者が求めているのは、嘆きではなく、現実的で具体的な教育のあり方と方策、そして、その早急な実施だ。

4月10日に行われた萩生田大臣の会見 文科省HPより

オランダでは3月上旬の休校要請から3日で、公立学校でも機器のない家庭へのデジタル機器配布を含め、オンラインで授業する仕組みができあがっていた。もちろん、それまでにICT教育が進んでいたこともある(言い換えれば、世界のICT教育から、日本がとてつもなく遅れていることも今回明らかになった)。せめて、日本でもこの休校措置が延びることを想定していたのであれば、萩生田大臣は残念がるだけではなく、仕組みを早急に作る具体的な方法を伝えたほうがいいだろう。