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コロナ禍に長引く外出自粛…こんなときこそ歩いてみよう!

国連も奨めるマインドフルネスを歩きながら
新型コロナの感染拡大防止のため、外出自粛が強く求められています。長引く自宅での生活に、運動不足や気分の落ち込みを感じている人も多いのではないでしょうか。
感染リスクの大きい「3密」を避けつつ、体を動かして気分転換するには、ウォーキングが最適です。体の痛みにも効果的なマインドフルネス・ウォーキングの提唱者・谷川浩隆先生に伺いました。

コロナ禍のいまだからこそからだを動かそう

政府や自治体の要請に従って、家の中で自粛生活を続けている方の中には、なんとなく腰が痛い、肩がこる、持病の膝の痛みが気になって仕方がない、、、こんな悩みを抱えている人も多いことでしょう。

そもそも人間のからだは動かさないと痛くなるようにできています。運動不足は腰痛や肩こりの大きな原因です。

私の整形外科クリニックにも、自粛生活で調子が悪くなったという患者さんが何人も来院されるようになりました。

私は現代新書から『腰痛は歩いて治す』という、慢性の腰痛、肩こり、関節痛をウォーキングで解決していく方法を書いた本を出したのですが、患者さんから「先生、やっぱり歩かなくなるとよくないんだね」といった声をいただいています。

私がこの本で提唱しているのはウォーキングの中でも、特に、こころを集中させて歩くマインドフルネス・ウォーキングです。

このコラムでも以前マインドフルネス・ウォーキングの効用とその実際の方法を取り上げ、マインドフルネス・ウォーキングで腰痛や肩こりが軽くなる理由を書きました。(こちら→腰痛はマインドフルネス・ウォーキングで治す!

現下の日本は新型コロナウイルス感染症のために国難ともいうべき状態になっています。不要不急の外出は自粛して、感染爆発が起こらないように一人一人が力を合わせるべき時であることは間違いありません。

 

でも、そうなるとやはりどうしてもつい自宅に閉じこもりがち。

そうやってじっとしてばかりいると、からだを動かすことが怖くなってきます。これをキネジオフォビアといいます。キネジオは「動かす」、フォビアは「恐怖」という意味、つまり運動恐怖症です。うちに閉じこもってじっとしているとフィジカルにもメンタルにもこのような状態になってしまいます。

感染拡大防止のため外出自粛が求められている(photo by gettyimages)

運動不足にはマインドフルネス・ウォーキング

人はからだを動かさないと糖尿病、高血圧、心臓病、それから腰痛や肩こりといった運動器障害といったさまざまな病気になりやすくなります。逆にからだを動かすことによって多くの病気は予防できます。

ところで「3密」を避けるためにはなによりも「通気をよくする」「風通しをよくする」ことが大切。つまり風通しが良い屋外での運動は新型コロナウイルス感染症予防の点からも決して制限されていないのです。

「健康管理、ストレス解消のためにも人が密集しないようにするなど、安全な環境の下、屋外に出て運動の機会も作ってください」という政府からのアナウンスメントもあり、首相自ら散歩を推奨する場面もありました。

また、国連が、自宅滞在時の職員向けに「マインドフルネス」を推奨していることもネットで話題になっています。

自粛生活で体に変調をきたさないように、こんな時こそ人の少ない近くの公園や川べりなどにでかけてマインドフルネス・ウォーキングをしてください。

患者さんの意識が変わった

『腰痛は歩いて治す』を上梓してから患者さんの意識がめにみえて変わってきたように感じます。変わってきたのは、今までの「先生、なんとかしてちょうだい」という発想から「自分でなんとかしてみよう」という患者さんの考え方です。

これまでも私は患者さんが自分で考えていく医療、自分で治していく医療をめざして診療を行ってきました。これは簡単なことではありません。それに患者さんの側からしてもけっして「ありがたくない」医療です。

患者さんにとっては、自分は大の字になって「さあ、先生、私を治して」と言って、受け身で治してもらうことが一番簡単なのです。しかし、特に運動器の痛みはそういう治し方ではけっして治りません。

患者さんを自分自身に依存させたいと思っている医者は「ああ、いいよ、あなたはそのままなんにもしないでいいよ。私が治してあげるから」と言うでしょう。このほうが患者さんには受けはいいに決まっているからです。でもそれでは患者さんは自立できません。

今の社会は「誰かに依存したい病」が蔓延しています。医者に依存したくてクリニックに来る患者さんが多いのも事実です。