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妻が「扶養範囲内で働く」「扶養から外れて働く」、どちらがおトク?

覚えておきたい「壁」がある
中国・武漢から始まった新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動への影響が心配されており、それは私たちの家計も例外ではない。こうした局面においてどのような基準で経済活動を行うべきか。家や車、保険などの大きな決断から、身近なことまでお金に関する選択を「コスパ」の観点から切り込んだ『コスパの神様』の著者であるファイナンシャルプランナーの篠原充彦先生に、先行きが不透明な状況下で誰もが気になっているお金の悩みについてうかがった。

「扶養の範囲内」って何?

「パートの年収が103万円超えそうだから勤務を減らさなきゃ」と「扶養範囲内に収まるように働く」という話をよく聞きますが、「扶養の範囲内」とはどういう意味でしょうか。

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扶養とは、「独立して生計を営めない者の面倒を見ること」です。扶養には「税法上の扶養」と「社会保険の扶養」2つの種類があります。

「税法上の扶養」は、「所得税」や「住民税」の控除や、「配偶者控除」などに関する扶養のことです。扶養範囲内であれば自分で所得税や住民税を払う必要はありません。扶養から外れると所得税や住民税を払うことになり、手取りが減り、さらにパートナーの所得税と住民税も上がってしまいます。

「社会保険の扶養」は、「健康保険」と「年金」に関するものです。

扶養範囲内であればパートナー自身が本来、自分の健康保険や年金に加入して保険料を払うべきところを自身の保険料のみでパートナーも保険や年金のメリットを受けることができます。

しかし扶養に入るための条件にパートナーの年収が重要になってきます。

ここで現れるのが「壁」です。この壁が扶養の範囲内・外どちらが得か問題が発生する原因です。実際に働いている方はこの壁に頭を悩まされていることでしょう。

・103万円の壁

年収が103万円を超えると所得税がかかってきます。所得税は収入が高くなるほど税率も高くなります。課税所得195万円以下の場合は5%。103万円を越えなければ、「配偶者控除」を受けられます。「配偶者控除」は所得から38万円が引かれます。その分、税負担が軽くなります。

・130万円の壁

年収が130万円を超えると社会保険の扶養から外れてしまいます。自分で社会保険料を払うことになり、手取り額に影響してきます。

・150万円の壁

年収が150万円以下で、パートナーの年収が1220万円以下であれば「配偶者特別控除」を満額38万円受けることができます。配偶者の年収が150万円を超えると、配偶者特別控除の額が段階的に減っていき税金は増えていきます。

 

・201.6万円の壁

年収が201.6万円を超えると、パートナーの年収が1220万円以下であっても配偶者特別控除は一切受けられなくなります。

これが年収の壁です。年収に応じて税と社会保険の割合が変わっていきます。