不動産は「新型コロナの影響を受けない」その考えは甘すぎる

たとえコロナから脱け出しても…
鷲尾 香一 プロフィール

日本銀行は3月16日、緊急の金融政策決定会合を開催し、REITの買い入れ目標を年間900億円から1800億円に倍増した。その後、日銀は1日あたりのREITの買い入れ額を12億円から40億円に増加させ、3月中には13回、315億円の買い入れを実施した。

3月の買い入れ額は、1カ月間の額としては2011年8月の165億円を大幅に更新し、過去最大となっている。それでも、同指数は下値圏で推移を続けている。

 

「バブル崩壊」がついに…

そもそも新型コロナの発生以前から、一部の不動産関係者からは「不動産価格はすでにバブル状態」との声が聞かれていた。

不動産価格は2013年のアベノミクス開始以来、日銀による異例の金融緩和政策による“金余り状態”を背景に、一貫して上昇してきた。東京23区の新築マンション価格は、2012年から2019年までで約30%も値上がりしている。日本で一番地価の高い銀座1丁目の土地は、バブル時代以来の高値を更新している。

こうした状況の中で起きた新型コロナは、不動産市場を危機に陥れるだけの十分な脅威を持っていた。

新型コロナの発生源となったのが中国・武漢市だったこともあり、訪日外国人の中で最多の約30%を占める中国人観光客が激減したことで、前述のとおり、不動産業界では当初、新型コロナの影響はホテル・旅館に留まるとの見方をしていた。