ドイツの市民が「コロナ対策」に、こんなに満足しているワケ

充実した経済支援と首相のメッセージ
河内 秀子 プロフィール

社員5人までの零細企業や、自営業、筆者のように一人で仕事をしているようなフリーランスには、ドイツの連邦による「即時支援金」として、3ヶ月分の運転資金に使える9000ユーロ(約107万円)の申請が可能となった。これも、申請から数日で支払われる。

この支援プログラムに対しては、ドイツは3月30日から、500億ユーロ(約5.92兆円)を確保している。

 

州のプログラム

このドイツ連邦による「即時支援金」に加え、各州が独自の「即時支援金」のプログラムを提案、実行した。

ベルリンでは、3月27日から、社員5人までの零細企業や、自営業、個人フリーランスに対して、5000ユーロ(約59万円)の補助金の申請がスタートした(4月12日の時点で、約14万件の申請があり、州銀行傘下のベルリン投資銀行から13億ユーロ(約1540億円)を支払い済み。現在は、資金切れのため申請はストップしている)。

ベルリンの支援プログラム、申し込みページ(著者提供)

ベルリン市の副市長、文化・欧州担当官のクラウス・レーデラー氏に話を聞いたところ、ドイツ連邦(国)からの即時支援金9000ユーロ(約107万円)と、ベルリン市・州政府による即時支援金5000ユーロ(約60万円)の、最も大きな違いは、後者が生活を保つために使うことが許されている点だという。

たとえば、州が給付する後者は家賃や買い物の支払いにも使うことができる。一方、国が給付する前者は、ビジネスマネジメントに関連したものにしか使用が認められていない。例えば、仕事場の家賃や資材経費などがこれに当たる。

なぜ、国レベルではなく、それぞれの州が独自の支援プログラムを出す必要があったのだろうか。

レーデラー氏 (c)SenKultEuropa

国の政策からこぼれ落ちる人を助ける

「ベルリンでは、ドイツ連邦政府からの援助金がカバーしきれない分野が多いということが、まずひとつありました」とレーデラー氏は言う。

確かに、筆者のような自宅をオフィスとして仕事をしているライターやデザイナー、翻訳家、ミュージシャンなど、固定経費が少ない仕事に従事している人にとっては、国が給付する即時支援金はあまり意味がない。しかし、仕事がキャンセルされれば補償もなく、即座に収入がゼロになるのもフリーランスの宿命だ。

「そしてまた、連邦共和国は、州の権限が大きく、文化は州それぞれの問題という原則を持っています。ベルリンだけでなく、数多くの州が、国が対象としていないグループ——その中にアーティストも含まれますが——彼らのための様々なプログラムを行いました」