メルケル首相〔PHOTO〕Gettyimages

ドイツの市民が「コロナ対策」に、こんなに満足しているワケ

充実した経済支援と首相のメッセージ

「満足している」が72%

世界中を揺るがす新型コロナウイルス感染症。緊急事態を前に各国のトップは前例のない中での素早い決断を迫られている。危機的な状況下、各国が抱える様々な問題があらわになり、国や政府とそこに住む人々との関係性までもが剥き出しになっていくように思える。

そんな中、政府に対する満足度が急上昇している国が、ドイツである。

ドイツ公共放送連盟ARDが4月2日に実施した世論調査によれば、メルケル首相率いる連立政権に対する満足度は、2017年10月に発足した今期の政権では最高の63%となった。また、コロナ禍の危機管理に対しては、満足している、非常に満足している、という答えが72%という結果になっている。

先月行われた同様のアンケートでは、連立政権への不満度が65%という結果だったが、逆転した形だ。

メルケル首相〔PHOTO〕Gettyimages
 

ドイツでは新型コロナウイルスは、2月までは感染経路もはっきりしていて、あくまでも「外から来たウイルス」のイメージだった。しかし、イタリアにほど近い南ドイツでは、3月頭から連日報道されるニュースにも「もう、すぐそこまで近づいている」という焦燥感が見られるようになった。

南ドイツ、バイエルン州の州首相、マルクス・ゼーダー氏は3月2日、連邦政府にこのウイルスの危険を警告し、景気対策を呼びかけている。学校の閉鎖、外出制限も真っ先に提案、実行した。

しかし、ベルリンを含む北ドイツでは、感染者数が圧倒的に少なかったこともあって温度差があり、「パニックを煽るべきではない」という論調で、ドイツ全土では足並みが揃わなかった。

ドイツで初めて新型コロナウイルスによる死者が出たのは、3月10日。感染者数も瞬く間に1500人を超え、感染者数が2日で倍増することもあった。この頃から強い危機感がドイツ全国で共有され、3月13日から大半の国立博物館・美術館や劇場は閉館、イベントは中止になった。

食料品や日用品を売る店以外は閉店を余儀なくされ、3月16日から、学校や保育園も閉鎖、3月23日からは外出制限と接触禁止によって仕事の形態も急激に変わった。誰もが日常生活に大きな制約を強いられ、今後の経済状況への不安もあるはずだ。

ドイツの経済対策の規模は7500億ユーロ(約90兆円)だ。国内総生産に対する割合でみると日本とあまり変わらないという。しかし、ドイツの政府への信頼、満足度は前述の通り急激な右肩上がりを見せている。その理由は、いったいどこにあるのだろうか。