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コロナ危機で再確認した「人は意外と変わらない」という現実

「久松るす」に「コレラ一揆」…

疫病封じのまじない「アマビエ」

新型コロナウイルスの感染拡大にともない、疫病を封じる妖怪として知られる「アマビエ」の絵をSNSに投稿する「アマビエチャレンジ」が広がっている。

妖怪に詳しい兵庫県立歴史博物館学芸員の香川雅信氏によれば、江戸時代の終わり、肥後国(熊本県)の海中に光るものがあり、役人が確かめに行ったところ、「アマビエ」が現れ、「当年より6年の間は豊作が続くが、病気が流行するので自分の姿を写して見せるように」と告げ、海中に消えたという。

アマビエが描かれた瓦版(弘化3年4月中旬、 京都大学附属図書館所蔵)

たまたま確認に出かけた役人の絵心の有無がとても重要だったということになろうか? 

いずれにしても、現在、京都大学付属図書館に所蔵されている「アマビエ(肥後国海中の怪)」の絵は、妖怪というよりはゆるキャラのようで、現代人に受けるのも頷ける。

 

「アマビエ」以外にも、疫病封じや疫病除けの「まじない」は枚挙に暇がない。玄関先に文字を書いた紙を貼るというものがポピュラーで、全国各地で行われていた。

最もよく知られているのは「久松 るす(留守)」あるいは「久松 おらず」の貼り紙だろう。これは明治の中頃にインフルエンザが大流行した際、家々の戸口に貼られた。「久松」とは、江戸時代以来、歌舞伎や浄瑠璃で何度も上演されてきた悲恋物語「お染久松」の「久松」である。