感染症のジレンマ
震災婚のようにはならない

2011年の東日本大震災のとき、30歳だったユカさんは、半年前に同棲していた彼と別れ、一人だったという。余震と計画停電の恐怖と不安で、誰でもいいから一緒にいてほしいと、元彼に「地震、大丈夫だったの? 怖すぎる……」とメールを送った。その後、元彼はすぐにやってきて、焼け木杭に火が付いてしまった。

「震災から半年ぐらいは不安でずっといっしょにいました。でも、もともとぐうたらでヒモ的な彼の性格が嫌で別れたので、震災が落ち着くとその部分がやはり嫌になって、再び別れました。ただ、震災時の不安な時期は、彼がいたことで一時的ですが不安感が消えたことは事実です」

不安は人恋しさを募らせ、恋愛に発展しやすくする。今回の新型コロナウイルスも外出自粛でストレスが溜まるし、感染への不安も高まる。まさに、人恋しさMAXだ。

「確かに、不安感はありますよね。一人だとこれからどうなるんだろうって。彼がいたらって気持ちはめちゃくちゃ感じます。

でも、今回は“感染症”ですよね。信頼できる相手、きちんとつき合っている彼であれば、“いっしょにいよう”、“そばにいて”という話もなりますが、信頼関係が築けていない相手だと、逆に“あいつは大丈夫なのか?”という気持ちにもなる。いいなと思っていた相手でも“感染させられたら嫌だな”ってなってしまう。うまくいえないんですが、自分の中にある本音が、新型コロナウイルスで明らかになるというか。

ちょっと前まで、マッチングアプリで、メッセージだけやり取りしてキープしている人が3人、直接会った人が2人いました。彼らとのやり取りの中で、日々いろんな感情が明確になって、いろんなことが見えてきました」

一体、ユカさんはどんな出来事と感情に揺れているのだろうか。ユカさんのマッチングアプリ歴とともに、詳しく話を聞くことにした。

「ソーシャルディスタンス」が掲げられる今、出会いにもいろいろ問題が生じている。photo/iStock