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少子高齢化・新型コロナ…この危機はどんな危機か

連載「だいじょうぶ、あまっている」①
少子高齢化・人口減少が言われ、社会の衰退が、あるいは人やお金、資源の不足が喧伝される。しかし、その不安は本当なのか。人やものは足りているし、これから足りなくなることもない。折からの新型コロナウイルスの感染拡大による状況の変容は、かえってその議論の正当性を明かすはずだ。――稀代の社会学者による、ラディカルな認識の転倒と真っ当な社会の設計を目指す新連載の幕開け。

人もものも、足りないことはない

「だいじょうぶ」という話をしようと思います。この時期に、そんなことを、と思われるのだろうと思います。ただ私はそうは考えません。むしろ、昨今の出来事・状況は、私が言おうとしていることがもっともであることを示しているのだろうと思っています。

1)基本は単純なことです。足りない、あるいはこれから足りなくなるとすれば、一つに「人」、一つに人以外のもの――ここでは「もの」としておきます――、このどちらかあるいはどちらもということになります。次に、それぞれを見ていきます。すると、足りないということはない、足りなくなるということはないことが言えるはずです。

2)しかし、現実には、足りていないということもたしかにある。ある仕事に就く人が足りないということがある。端的に、生活するのにいるお金が足りないということがある。しかもその足りない度合いは増えているようだ。とすると、それはどうしてなのか。次にこれを考えてみます。

3)そして、ではどうしたものか、を考えて言ってみます。

そういうだんどりになります。

1)について昨年書きかけたものが2つあるにはあります。次のものです。

・立岩真也 2019/02/02 「少子高齢化で「人や金が足りない」という不安は本物か? 社会的弱者に不寛容な言葉が広がる日本」(BuzzFeed News)

・立岩真也 2019/02/23 「少子高齢化のせいで「もの」は足りなくなるのか?――一人あたりで考えてみる」(BuzzFeed News)

 

ここで書いた(話したように書いた)ことを、もう一度、できればもっと上手に、繰り返し、その続きを書こうと思っていました。

ただ、今般のことがあるのでまず、それに関わること、しかし毎日すごい量で流れてくる情報とは少し異なること書こうと思いました。その後、人そして/あるいはもの全般が足りないという説がどのように、何を根拠に違うと言えるのか、そのことの確認に進んでいきたいと思います。