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生ビールを、絶品の味に変える「銀座ライオン」老舗のスゴ技

「サッポロライオン」三宅祐一郎社長に聞く

創業1899年(明治32年)、現存する日本最古のビアホールチェーン、サッポロライオンを取材した。特筆すべきは「ビヤホールライオン銀座七丁目店」の歴史。1934年(昭和9年)にサッポロビールの前身・大日本麦酒の本社として竣工したビルの1階にあり、重厚な佇まいは「後世まで残る日本を代表するビヤホールに」という矜持を伝える。

現在は銀座ライオンのほか、ヱビスバー、くつ炉ぎ・うま酒かこいや等を展開する同社、社長はアルバイト出身の三宅祐一郎氏(55歳)だ。

「一度注ぎ」がおいしさの秘訣

銀座ライオンの生ビールは、長年受け継がれてきた抽出法「一度注ぎ」で提供しています。

一般的には、最初に液体を注ぎ、最後、サーバーでつくった泡を乗せてお客様に提供します。しかし銀座ライオンはビールサーバーのガス圧を強めにし、ビールを注ぎながらグラス内で回転させ、余分な炭酸ガスを抜きつつ雑味を泡に閉じ込めるんです。

すると苦みが少なく、のどごしがすっきりしたビールに仕上がります。ビールが苦手なお客様から「銀座ライオンの生だけは飲める」というお声をいただくことも多いんですよ。

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実は、いつ始まったかは当社もはっきりとはわかりません。私が生まれるよりずっと前から、スタッフが「こう注ぐとおいしいのでは?」と研究したり、お客様から「これがおいしい」と言われたりして、自然と完成した“伝統が生んだ味”なのだと思います。

 

高校時代は役者を目指していて、地元・名古屋のプロダクションに所属し、エキストラやドラマに出ていました。当社でアルバイトを始めたきっかけは、母に「大学に行くなら自分で学費を出しなさい」と言われたこと。

今は他界した両親が居酒屋を経営しており、飲食業に何となく親しみがあったからです。高2の春から半年勤め、大学合格後、前に私を採用してくれた社員の方にお願いし、再び働き始めました。