コロナショックで「住宅ローン破綻」の恐ろしすぎる現実

住宅ローン「金利優遇制度」の落とし穴
山下 和之 プロフィール

コロナを乗り切っても油断禁物

金利優遇制度の落とし穴はそれだけではない。新型コロナウイルスの影響を何とかくぐり抜けたとしても、安心はできないのだ。

というのも、住宅ローンの金利優遇制度には、「当初重視型」と「全期間型」がある。

「当初重視型」というのは、当初の一定期間の金利引き下げ幅を大きくして、返済負担を軽減してくれるもので、一定期間終了後には金利引き下げ幅が小さくなるため、適用金利が上昇し、返済額が増えるリスクが大きい。

一方、「全期間型」は、完済までの全期間にわたって、同じ金利引き下げ幅が適用される。そのため、当初の適用金利は「当初重視型」に比べてやや高くなるが、一定期間後の金利上昇リスクが小さくなるという安心感がある。

利用者からすれば、当初の返済負担が軽くなるものの、一定期間後のリスクが大きくなる可能性のある「当初重視型」か、当初の負担はやや重くなるものの、一定期間後の返済額増額リスクが小さくなる「全期間型」にするか――どちらをとるかの選択になる。

 

特に、「当初重視型」に関しては、その点を理解しないまま、当初の返済額が少なくなることにひかれて、利用している人が少なくないようだ。

先の住宅金融支援機構の調査でも、それは明らか。図表1にあるように、「適用金利や返済額の見直しルール」に関して、「理解しているか少し不安」「よく理解していない」「全く理解していない」の合計割合が46.9%に達しているし、「将来の金利上昇に伴う返済額増加への対応策」に至っては、理解していない人の合計の割合が59.6%と6割近くに達している。