コロナショックで「住宅ローン破綻」の恐ろしすぎる現実

住宅ローン「金利優遇制度」の落とし穴
山下 和之 プロフィール

もちろん、たった1回の延滞で翌月から実施という非情な金融機関ばかりではない。引き落とし口座に入金するのを忘れていただけのうっかりミスで、翌月から通常通りに返済できることが明らかであれば、猶予してくれるところもあるだろう。

特に、今回の新型コロナウイルスの影響に関しては、ある程度事情を斟酌してくれるところが多いと考えられるが、原則としては1回でも延滞してしまうと、翌月から金融優遇がなくなっても文句はいえない。少なくともそれだけの覚悟は持っておくべきだ。

返済額が5割近く増額になることも

実際、どんな事態が起こるのか、図表2をご覧いただきたい。これは、固定期間選択型の10年固定を利用して、3年経過後に延滞が発生、優遇金利の適用を受けられなくなった場合の試算例だ。

図表2  延滞で優遇金利が適用されなくなったときの返済額の変化

借入額4000万円、35年元利均等・ボーナス返済なしだと、優遇金利が適用された金利0.55%の当初の毎月返済額は10万4720円だが、延滞によって優遇金利がなくなって、4年目からの適用金利が店頭表示の3.15%に戻ると、毎月返済額は15万2498円に増えてしまう。当初の10万4720円に比べると45.6%もの増額だ。

 

延滞するということは、生活が厳しくなっているわけだから、この返済額増額によってますます苦しくなり、延滞が続き、ついには任意売却、競売といった事態に追い込まれてしまう可能性がある。

それだけに、返済が厳しくなったときには、延滞が発生する前に金融機関に相談することが大切。事情を話せば、返済期間の延長などで返済額を減額するなどの救済措置の適用を受けられるかもしれない。その救済策については、本欄の2月28日付けの記事「新型コロナで倒産・収入減…『住宅ローン難民』が増加する可能性」をご覧いただきたい。