image by The National Museum of Health and Medicine (USA)

絵と写真で見る!日本人が知っておきたい「パンデミック呪いの歴史」

これはグローバリゼーションの病だ

中世ヨーロッパのペスト

古代から世界各地で散発的に感染症の流行爆発は起きていた。これが世界化したのが14世紀、ヨーロッパでのペスト流行。13世紀から始まったモンゴル帝国の西方拡大の結果、東西交流が本格化した事が背景にあると言われている。

1347年、クリミア半島と交易のあったシチリアに上陸。イタリア半島に拡散し、翌1348年にはアルプス以北に伝播。正確な記録は残っていないが、ヨーロッパの人口の3分の1から3分の2、数千万の犠牲者を出したとみられる。

農奴制、荘園制を基盤としていたヨーロッパ封建制度は深刻な打撃を受け、希少資源となった農民が比較優位性を獲得、中間的な領主階級が徐々に弱体化し、近世、絶対王政への道がひかれていくことになる。

その意味で、恐怖と共に歴史の転換点としてヨーロッパ人に記憶されていくことになる。また東方への嫌悪を決定的にヨーロッパに植えつける事にもなった。

 
東方からもたらされた疫病はヨーロッパに対する史上最大の破壊行為となった。アルノルト・ベックリン「ペスト」 by CGFA
「黄禍論」の提言者、ドイツ皇帝のウィルヘルム2世が宮廷画家に書かせたプロパガンダ画「ヨーロッパの諸国民よ、汝らの最も神聖な宝を守れ!」。右奥で仏陀がヨーロッパの沃野を破壊しながら迫って来ている。1985年、日清戦争後の日本に遼東半島返還の三国干渉を仏露共に行った直後、欧米首脳に配布された。