# 新型コロナウイルス

「アジア人差別」「医療崩壊」は本当か?イタリア在住者のリアル

報道だけではわからない、その日常
鈴木 圭 プロフィール

 また、子供がいる家庭では家の中でどうやってエネルギーを発散させるかも課題になる。小学校以上の年齢なら学校から課題や過ごしかたが指示されるかもしれないが、小さな子供の場合はフラストレーションをためないよう、親が遊びのアイデアを考えておく必要がある。

ちなみに最近我が家でよく登場しているのはカードゲームだ。これなら親と子どもが同じ目線で楽しめる。娘の年齢は5歳なのでちょっとまだ早いかなと思っていたが、実際に教えてみると意外と飲み込みが早く、昼食や夕食後に家族みんなで一勝負、というのが新しい習慣になった。

筆者撮影

このほか、パズルやお絵かきなど、一人でできる遊びを組み合わせながら、できるだけテレビやタブレットに頼らないような過ごし方を模索している。

 

自宅にいれば、コロナウイルスの脅威を感じる場面はあまりない。家族以外の人と会う機会はほとんどなく、強いて言えば買い物時に周囲が少し気になる程度だ。医療従事者でない自分にできることは家の中に引きこもることくらいで、それさえ守れば感染リスクが少ないというのは、思った以上に安心感をもたらしてくれる。

イタリアはヨーロッパの中でも感染者数・死亡者数ともに多く、ことあるごとに感染拡大の中心地として取り上げられてきた。そのため、報道を鵜呑みにすれば汚染された危険な場所というイメージになるかもしれない。だが、実際は想像するほど過酷な状況ではなく、むしろ家の中でのんびりと暮らしている。手の込んだ料理を作ったり、DIYをしたりと普段できないことをするチャンスでもある。

イタリアでは4月6日以降、これまで4%前後だった感染者数の増加率が2%台まで低下するなど、ようやく収束への兆しが見えてきた。ただ、1日の死亡者数は600人前後と依然として多く、イタリア国家市民保護局のアンジェロ・ボレッリ氏は、現在の外出禁止措置は引き続き解くことはできないと強調している。市民にとっては「家に閉じこもる」という静かで重要な戦いが、まだしばらく続くことになりそうだ。

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