食のスペシャリスト&グルメに精通する識者で構成される「FRaU Foodies」が、今イチオシの料理やスイーツなどをお届けします。これまで5000個以上のパンを食べてきたモデルのパン野ゆりさんがオススメするブーランジェリーをご紹介。中でもイチオシのパンとは!?

リスペクトを持って生み出される
革新的かつ伝統的なパンに唸る

「何を食べても美味しい! パンを食べるごとに感激してしまう」。パン野さんが思わず相好を崩して話すお店が、東京メトロ半蔵門線水天宮前駅、都営新宿線浜町駅から徒歩6分の場所にある「ブーランジェリー・ジャンゴ」。

2019年5月に江古田から日本橋浜町に移転。モノトーンの店構えに、麦の穂を思わせるデザインの屋根。中に入れば、チェコのキュビズムをイメージしたという壁がなんともクール。

「10年後に見ても飽きない、古くならない店構えを」とは、オーナーシェフの川本宗一郎さん。パン屋としてここで骨を埋める覚悟の現れともいえます。

「フランスパンやクロワッサンはもちろんですが、シェフのスペシャリテ、ビーツを使ったパンは見た目から美味しさが伝わってきます。真っ赤なビジュアルはビーツの色、どんな味かワクワクしながら食べたのを覚えています」。

パン野さんイチオシのビーツのパンは3種類。ブレッドとエピ、サンドがあります。

ビーツブレッド ¥400

鮮烈な赤が目を惹くこのパンが誕生したきっかけは、イスラエルのカリスマブーランジェ・Adon Shifonさんが作るパンの写真を見たこと。彼のスペシャリテがビーツブレッドだったのです。

本人へのリスペクトをもってチャレンジしたビーツブレッドは、数年かけて完成。川本シェフのスペシャリテとなりました。ベースとなるフランスパンの生地は、水の変わりにビーツのピューレを使用。生地に練り込まれる割合は75%にものぼります。

ピューレは、生をオーブンでロースト。皮ごとペーストにし、生地に練り込みます。少しブラックペッパーを加えて土臭さを消すなど、かなりの手間がかかっています。

パン野さんは「パン生地から伝わるビーツ独特な甘さが美味しい! 」と絶賛。また、川本シェフからは「バターを塗ったり、いちごやクランベリーのジャムと合わせるといい」と食べ方の一例を教えていただきました。実際にバターを塗って食べてみると、そのまま食べるよりもビーツの甘さが引き立ってビックリ。合わせるスプレッドや食材によって、ビーツが持つ美味しさを広げてくれます。

ビーツのベーコンエピ ¥300

3種類あるビーツのパンの中でも、パン野さんは特にベーコンエピがお気に入りだそう。

ベーコンエピがラインナップされている理由を、川本さんは「万人受けする味と合わせることで、ビーツの味をわかってもらえるから」と言います。ガブリと噛めば、ベーコンの塩気に玉ネギとビーツの旨みや香ばしさが溢れ出る。言葉通り、生地を通してビーツが根菜であることを再認識させられます。