安倍晋三首相は4月7日19時から会見、7都府県の緊急事態宣言をした。冒頭で医療従事者への感謝の念も伝えたが、ある日本人医師はTwitterで「賞賛はいらないから差別をしないでください」と訴えた。新型コロナウイルス感染症治療に携わっている医療従事者の差別が、日本各所で起きている。

他方、カナダには、賞賛とも差別とも異なる、医療従事者への「本当のサポート」が存在する。ジャーナリストの島沢優子さんが、彼の地でコロナ治療の現場に立つ日本人看護師に話を聞いた。

医療従事者全員に加算手当

You can do it.
ブラジル1部ボタフォゴに所属する本田圭佑が4月3日、YouTubeで新型コロナウイルスの感染患者の治療にあたる世界の医療関係者へ励ましのメッセージを送った。
日本でも、神奈川県が先月から医療機関や医師、看護師らを応援するキャンペーンを開始している。

本田圭佑Youtubeチャンネル「Heisuke Honda Youtube」よりhttps://www.youtube.com/watch?v=Bv44xBTiYF8

エールとともにもっと具体的な手厚いサポートをすべきだと思うが、それを見事に実現している話を、カナダ在住の日本人看護師から聞いた。

西海岸に位置するカナダ第三の都市、バンクーバー市内の病院に勤務するアヤ・セントピエールさんは同国での看護師歴は26年目。カナダ人の夫と、すでに成人した1男1女と暮らす。移住前も都内の大学病院で看護師を務めていたベテランだ。防御服へと着替えてコロナ感染者の治療にあたる。

「こちらも、東京と同じでずっと自粛が続いています。職場の同僚がコロナ感染の疑いで検査しましたが、陰性だったのでひとまず安心しました」

バンクーバーの都市圏人口は210万人ほどだが、市だけでみると64万人。感染者数の拡大は1300万人超が住む東京に比べれば小さな町だ。

カナダ・バンクーバー国際空港にて。3月17日に海外渡航者の入国禁止措置を取った Photo by Getty Images

「食料品の買い出しは以前ほど緊迫してないし、ソーシャルディスタンスが保たれていて、近所では外を散歩する家族も増えている。人が密集していないせいもありますが、みんなが安心して家にいられるのは(各企業に)政府の援助金が出るからだと思います」

金銭的援助は、自身の身を危険にさらす医療従事者にも施される。看護師としてのキャリアが長いアヤさんの場合、1時間の時給は$46、65ドル。1カナダドルを約80円で計算すると4000円近い高額であることも驚きだが、これに現在はすべての看護師など医療従事者に5ドル(400円弱)のプレミア、つまりは臨時の加算がつく。12時間勤務であれば、このプレミア分として60ドル(約4800円)が日当に加算される仕組みだ。4月1日から医療従事者全員にこの手当が支払われている。