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40・50代「大量早期退職」時代を生き残るのは、意外な人たちだった!

熾烈な椅子取りゲームが始まった
小野 一起, 冨山 和彦 プロフィール

「中途採用の30代」が突然上司になる

冨山 日本の企業は集団主義で頑張っているよね。同じ職場内で品質管理活動を自発的に小グループで行うQC活動は、給料と関係がなくても頑張っているよね。これは凄いことだよね……と、一時は世界中から賞賛を浴びていたわけです。

ただ、日本人はなぜそうできるのか、アメリカ人には理解できない。だから、アメリカでは給料にうまく反映させる仕組みにして、アメリカ人にも理解できるやり方に変えてしまっているわけですよ。日本人が褒められて、喜んでいる間に、アメリカ人に上手に形式化されて、パクられてしまったわけです。

小野 逆に言うと今度はグローバルに展開する欧米的経営のいいところである「経営のプロフェッショナル化」を日本企業が取り入れないといけません。しかし年功序列とムラ社会的な風土が、この変化を阻んでいますね。
 
冨山 いまの日本企業の現実を踏まえると、もう腹を決めてマネジメントを目指す人材を30代から分別管理するしかないでしょう。日立の話も出ましたが、いまやそういう方向に舵を切ろうとしているメーカーは多いです。30代、40代のマネジメントクラスは、中途でもどんどん登用すればいいんです。

photo/gettyimages
 

小野 それは大事でしょうね。人種、性別を含めて多様性のない組織は変化に対応できません。

冨山 だから、いきなり30歳で中途で入った人が生え抜きの40歳の人の上司になるとか、平気でやっていかないといけない。例えば、その30歳の人が外国人の女性の場合だってあります。でも今の日本企業のムラ社会の風土だと、これが耐えられない。

ただ、人間は慣れる生物です。やってやれないはずはない。競争に勝ち抜くためには、こうしたいままでとは違う組織的なストレスに慣れるしかありません。

それが嫌で、どうしても終身雇用、年功序列を続けたいなら、日本国内だけで完結するローカル型のオペレーショナルなビジネスに絞ったほうが良い。まあ、あまりないと思いますけど。伝統そのものを商品にしている老舗和菓子屋とかなら、いいかも知れませんけどね(笑)。