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40・50代「大量早期退職」時代を生き残るのは、意外な人たちだった!

熾烈な椅子取りゲームが始まった
小野 一起, 冨山 和彦 プロフィール

「権力闘争」などしている暇はない

小野 なるほど。日本的経営だと仕事は「現場のオペレーションの集積」ですから、現場の社員が一生懸命働ければ、会社はうまく回っていた。一方、経営陣は権力闘争と暇つぶしの遊びに終始していればよかったというわけですね。ただグローバルに勝ち残ろうと思えば、経営者は常に判断を求められるので激務になりますね。

冨山 相当な激務ですよ。世界中、飛び回らないといけないし、出張回数もすごい。本当に大変です。まず、休みが事実上ない。グローバル企業だと世界中の人と連絡を取り合わないといけないので、事実上24時間対応が求められます

プライベートジェットでの移動は当たり前 photo/iStock

小野 それは厳しい世界ですよね。一方で、日本的経営とか日本型組織の「良さ」を残せるような部分はありませんか。

冨山 日本的経営の良さが残せるとすれば、ある特定事業の中のオペレーショナルな単位の仕事でしょう。アメリカの経営でも、エンリッチメント(enrichment)、エンパワーメント(empowerment)、インクルージョン(inclusion)という言葉は、注目されています。現場の創意工夫を生んでやる気を高めるような組織のありようが、アメリカでは課題になっていました。要するに現場のオペレーショナルなマネジメントの世界では、確かに日本の現場は優れています。アメリカの会社は、そこが概して弱かった。
 
確かに、アメリカの経営者の中にも、なぜ日本の自動車メーカーの生産性が高くて、高品質なのだろうという問いはあったのです。問題は、こうしたマネジメントのスタイルを会社の機能のどの部分に適用するのかという点です。いまも日本的な経営の良さ、利点はあるわけです。要は、それを会社のどこで、誰が、どう使うかということです。

 

小野 しかし、その日本型のやり方で「会社全体のかじ取り」をやろうとしてしまうと、駄目な経営になってしまうわけですね。

冨山 それに、日本の現場のオペレーションの良さは、かなりの部分がグローバル企業にすでにパクられています。日本の企業の強みは、徹底的に研究されていて、日本以外の国でも実施できるように形式化されているんです。