「宣言」と「具体的対策」がないと
「自粛」はしにくい

4月7日夕方、ようやく7都府県に、特別措置法に基づく緊急事態宣言が出された。休校要請から数えて41日、「発令される」ようだと報道された5日からほぼ丸2日要している。ちゃっちゃと出された、現場や親たちに丸投げした臨時休校の要請とは違い、「緊急」とはいっても、多くの根回しや手続き、調整が必要なのだということがよくわかった。

そのぶん私たちには準備はできていた。「どうやら火曜日に出るらしい」とすでに知っており、またそれが、罰則のあるNYやパリとは異なり、大きな強制力を持たないこともわかっていた。緊急事態宣言の発令により、対象地域の都道府県知事は、住民に対して、仕事や食料品の買い出しなどを除く外出の自粛要請ができるようになるが、特措法では外出禁止を強制できない。あくまでも「要請」ベースで、私たち個々の良識に委ねられている。また、学校、百貨店、映画館などの使用、イベント開催の制限・停止を要請・指示できるようになるが、その多くは強制力を持たない。

パリのエッフェル塔は現在こんな状況。買い物も最小限で違反すると罰金が課せられる Photo by Getty Images

そのため、「これまでと何も変わらない」という声も多々あがっているのは周知の事実だ。それでも、緊急事態宣言という名の、「人が自粛しやすいようにするための国の宣言」「企業が安心して仕事を完全リモートにすると言える環境作り」を待ち望んでいた人は少なくないと思う。国に正式に何か言ってもらえないと実践できない背景を持つ人たちにとっても、効力を発するのではないだろうか。SNSをみていると、「明日からようやくリモートワークに切り替わった」とつぶやいている人も何人かいた。パチンコ店も続々営業休止を決めている。

4月7日の都内は、通勤の人たちで溢れた。リモートを推奨しても、就業時間をずらすことは簡単ではない。クライアントがあり、クライアントが動いていたら行くしかない。自分の希望とは別に、この時間に移動しなければならない人たちが多いはずだ Photo by Getty Images

いまの日本政府ができる、精いっぱいのことが、この緊急事態宣言なのだろう(補償は別として)。あくまでも「強制」や「禁止」ではなく、「自粛」であることには変わらないが、それでも「自粛」が強く促される、あるいやしやすい環境はできあがった