2020.04.14

コロナショックで「敗北」している日本企業と欧米企業の決定的な差

危機のときこそ「ESG思考」が大切だ
夫馬 賢治 プロフィール

じつは米大企業は「従業員に手厚い支援」をしている

では大企業はどうなのかというと、3月31日に発表された調査で、アメリカのS&P500という代表的な株式指数に採用されている大手500社の中で、従業員数がトップ100の企業のうち、解雇を実施している企業はなんとわずか7社しかないことがわかった。

一方、この100社のうち、コロナへの感染や自主的な隔離により仕事を休まなければいけない人に対し、特別な有給傷病休暇制度を設けた企業が37%もある。パートタイム社員などの非正規社員でもこの休暇を取得できるようにした企業は結構多い。

また、ボーナスを支給したり、従業員向けの資金繰り支援策を打ち出した企業も29%と多い。この制度を導入した企業には、ウォルマート、アマゾン、スターバックス、ペプシコ、AT&T、バンク・オブ・アメリカ、JPモルガン・チェース、シティグループなどがある。

いずれも、店舗社員などの非正規社員が多い業種だが、生活が苦しくなることが予想される非正規社員に特別賞与を支給した企業もある。

医療機関やNPOに寄付が集まる

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医療機関や地域NPOへの寄付を実施している企業も31%あった。

多くの企業は、アメリカ政府で感染対策の指揮をとるCDC(疾病管理対策センター)や世界保健機関(WHO)、赤十字や、フードバンクなどに数千万円や数億円単位で寄付している。

医療機関では、医薬品やマスクを寄付したり、食品企業は食糧を寄付したりもしている。これを聞いて、「ボロ儲けの大企業は資金のゆとりがあるのだな」と早合点してはいけない。これらの企業も同じく業績を大きく落とし、さらに銀行から巨額の借入をしながら、その資金で寄付している。

 

ちなみに、この調査を行っているのは、アメリカのJUST Capital。日本では無名かもしれないが、アメリカでは、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントがJUST Capitalのデータを使った上場投資信託(ETF)を設定していることで知られている。

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