# 孤独死 # 格差・貧困

現役世代の「女性の孤独死」が増えている…離婚、仕事の厳しい現実

静かに社会から孤立してゆく
菅野 久美子 プロフィール

ある30代の女性は、離婚後アパートで一人暮らしを始めてから、わずか3か月で孤独死してしまった。

女性は、何らかの理由で子供の親権が夫に渡ってしまい、子供と夫と一緒に住んでいた家からの退去を余儀なくされたらしい。

その結果、引っ越し先の古ぼけたアパートに引きこもるようになる。孤独に打ちひしがれた女性は、雨戸をピッタリと閉め、寝たきりのような生活を送っていた。

まるで全ての辛い出来事から目をふさぐかのように、押し入れに布団を敷き、その中で寝起きするようになった。子供と引き離されたショックが大きかったのは明らかだ。

女性の居室には、大手引っ越し会社の段ボールが荷解きされることなく、山積みになって放置されていた。女性の心境を考えると、在りし日の思い出の欠片に触れることは、傷を抉り出すような作業だったに違いない。

孤独死の現場を取材して、よく遭遇するのが、このように引っ越したままの状態で放置された段ボール箱の山だ。これは男女ともに共通だが、中にはたいてい、子供の写真やアルバム、おもちゃなどが詰まっている。

「子供を取られた」という絶望感があまりに大きく、自暴自棄となり、心身ともに追い詰められていったのだろう。

別のある30代の女性は、2DKの分譲マンションで孤独死していた。

女性は、20代で職場結婚して一人娘を出産。しかし、その後アルコール依存症が原因で、離婚する。前述の女性と同じく、子供の親権が夫に渡ってしまった。離婚後は、貯金を切り崩しながら、家に引きこもるようになった。

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床にはお酒の空き瓶が何本も打ち捨てられており、亡くなる寸前まで女性はお酒を手放さなかったことがうかがえる。

部屋には禁酒やカウンセリングの本などが無造作に置かれていた。女性はなんとか、アルコール依存症から立ち直ろうと1人で葛藤していたが、難しかったようだ。