米海軍公式サイトより

「いま死ぬ必要はない」米空母艦長、コロナから部下を守ってクビの深層

任務をとるか、命をとるか

「これは戦争ではない」

艦内で100人を越える乗組員が新型コロナウイルスに感染した米空母「セオドア・ルーズベルト」。その艦長を4月2日に解任されたブレット・クロージャー大佐が、大勢の乗組員から声援を受けて停泊中の艦から去る様子が動画で公開された。

米空母「セオドア・ルーズベルト」前艦長のクロージャー大佐(米海軍公式サイトより)

解任の理由は、艦内の危機的状況を訴えた4ページにわたるメールを20~30の宛て先に送った結果、国防総省に届く前にその内容がメディアに漏えいしたというもの。モドリー米海軍副長官は「艦長が乗組員たちにとって最善だと考えたことを実行したという点は疑っていない」と理解を示したものの、結局、「極めて不適切な判断だった」と非難した。

 

クロージャー艦長はメールの中で「これは戦争ではない。兵士らが死ぬ必要はない」と訴えたとされ、反応が鈍い国防総省や海軍省を批判する内容ともなっていた。結局、米海軍は米領グアムに寄港中の「セオドア・ルーズベルト」から、艦の維持に必要な乗組員を除いて全員を上陸させることを認めた。外形的には、艦長の訴えが届いたことになる。

解任され、タラップを降りるクロージャー艦長は、艦内の乗組員から手拍子とともに「キャプテン(大佐)クロージャー!」の連呼を浴び、多くの乗組員が感謝の意を表した。