もっと生きやすい社会を。もっと環境に優しい生活を。そう願う人々が、世界のあちこちでプロジェクトを立ち上げています。技術革新が生み出した新素材や、人の行動を変える社会の仕組みづくり、食糧問題、難民問題に向き合う国境を越えた取り組みなど、世の中を変えていこうとする世界のアクションを紹介します。

AEANCE(ドイツ)

目指したのはスローな消費と
タイムレスなデザイン

ナディン=イザベル・バイヤーとアレント・ヴァン・ダイクが2015年に創立。廃棄後わずか5年で土に還るナイロンや、自然に成長したブナの木から抽出した繊維、リサイクルナイロンを活用した日本製のストレッチ生地も使用している。

ファッションの世界では、年に2回、春夏と秋冬のコレクションを発表することがサイクルとなっている。だが、そのシステムによって、デザインが短いサイクルで消費され、シーズンの終わりに売れ残りが廃棄されているのも事実だ。この状況に異を唱え、「ノン・シーズナル」というコンセプトで活動を始めたのが〈エーエンス〉

スローな消費とタイムレスなデザインをコンセプトに掲げ、在庫がある限り過去のコレクションも販売するなど、業界のあり方に一石を投じている。素材もサステナブルであることにこだわっており、最新コレクションでは96%もの生地がリサイクル素材や純天然素材、生分解性素材、あるいはバイオベース素材。それらに無駄をそぎ落としたデザインと機能性を与えることで、モダンで着心地のよい洋服が生まれる。

ファッションは、決して消費を促すだけのカルチャーではない。彼らの活動からは、そんな力強いメッセージを受け取ることができる。

AEANCE
aeance.com

ECOSIA(ドイツ)

ワンクリックで植樹プロジェクトを
応援できる検索エンジン

サイトトップには植樹される木の本数を表示。秒ごとにカウンターが増える。(c) ECOSIA

国際環境NGOグリーンピースは、世界中のインターネット利用で生じるエネルギー消費は、中国やアメリカのエネルギー消費に次ぐほどの、とてつもない量だと報じている。ベルリンで発足した〈エコシア〉は、使うたびに植樹プロジェクトに貢献できる検索エンジン。例えばGoogleやSafariの代わりに、〈エコシア〉で検索してワンクリックすれば、植樹団体や自然保護団体に寄付金が送られる。

植樹は発展途上国の収入源に。(c)ECOSIA

その仕組みはこうだ。広告費収入やTシャツなどのグッズ販売で生まれる利益は、運営費用とスタッフの給料以外、約80%がブラジル、ニカラグア、ブルキナファソ、マダガスカル、エチオピア、インドネシアなどの木を植える活動に寄付される。

木を植えることの影響は計り知れず、雇用によって女性の社会進出を支えたり、川の水質を向上させ飲み水を確保できるようになるなど相乗効果が期待できる。〈エコシア〉は企業活動にも透明性があり、ソーラーパネルによる100%再生可能エネルギーで運営。毎月のファイナンシャルリポートもウェブ上で公開している。

オランウータンがいる熱帯雨林を守る、インドネシアの団体もサポート。(c) ECOSIA

さらに検索履歴は1週間で完全に消去。利用者のプライバシーを守る仕組みもある。「利益より木を選ぶ。2020年までに10億本の木を植える」と公言するCEOのクリスチャン・クロールは、気候変動に関するデモにも参加する行動派。〈エコシア〉の利用者はすでに800万人以上! “ググる”ならぬ“エコる”が広まれば、世界はより緑豊かになるはずだ。

ECOSIA
www.ecosia.org