もっと生きやすい社会を。もっと環境に優しい生活を。そう願う人々が、世界のあちこちでプロジェクトを立ち上げています。技術革新が生み出した新素材や、人の行動を変える社会の仕組みづくり、食糧問題、難民問題に向き合う国境を越えた取り組みなど、世の中を変えていこうとする世界のアクションを紹介します。

Kobo360(ナイジェリア)

企業とトラック運転手をつなげる
物流プラットフォーム

鉄道網が発達しておらず、港のない内陸国が多いアフリカでは、トラックが流通の鍵。中間業者を挟まないことで輸送コストが抑えられると、市場にも適正価格で物が流通するようになる。(c)Kobo360

早く、正確かつ安全に、生産物を届ける。物流の基盤が整っていないアフリカでは、まずこの基本的な流通システムが求められてきた。それが整えば、地域の産業は活性化し、物流に関わる人々の暮らしも豊かになる。そんな理想的な循環のために、ナイジェリアのスタートアップ企業が開発したのがオンラインプラットフォーム〈コボ360〉だ。

物を運んで欲しい企業と、個人で働くトラック運転手を直接つなげるトラック版Uberのようなシステムで、GPSによって輸送状況がリアルタイムで確認できたり、配達後の空になったトラックに新たな荷物を詰めて復路を走ることで、時間や燃料を有効活用できたりと、企業にとっても、ドライバーにとってもさまざまなメリットがある。

2017年の設立から2年で、すでに1万2000以上のドライバーとトラックが登録。ナイジェリアを始め、トーゴ、ガーナ、ケニア、ウガンダにもサービスが拡大し、その急成長に世界が注目している。

Kobo360
www.kobo360.com

Moringa(ミャンマー)

現地の女性たちと
手仕事の誇りと伝統を継ぐ

東京でスタイリストとしても働いていた今野まやさん(左)と、ミャンマーで農業支援活動を行っていた水口知香さん(右)が一緒に立ち上げた。

130以上の民族が暮らすミャンマーには、種族ごとに多様な織物の文化がある。しかし、世界のさまざまな国や地域と同様に、ミャンマーでも伝統工芸の継承には厳しい現状がある。海外から輸入される安価な日用品に押されて需要が減り、文化や技術を伝えていくことが困難になっているのだ。

この状況に働きかけたのが、ミャンマーに移住していた2人の日本人。伝統の継承だけでなく、スローな消費や、技術に対してきちんとした対価を支払うフェアトレードの考えを掲げ、バッグ&インテリアテキスタイルのブランド〈モリンガ〉を立ち上げた。

バッグ各45000MMK。

草木で染めた糸で、金具などの異素材を使わずに作られたバッグは、モダンなデザインの中に、ミャンマーという土地の歴史が確かに込められている。また〈モリンガ〉では、宗教、学歴、出生地、人種にかかわらず、やりたい!と手を挙げた女性たちを仲間として迎えている。民族の誇りを世界へと発信しながら、それが暮らしを支える仕事になることを目指したプロジェクトだ。

Moringa
www.moringahandmade.com