「スマホをいじりながら話を聞く人」に怒ってはいけない理由

連載『問題発見力を鍛える』vol.6
細谷 功 プロフィール

「常識人」が陥りやすいワナ

対して「常識人」というのは、このような理解できない事象を見ても、(自分は全てをわかっているという認識があるので)それを否定しにかかって、自分の理解できる範疇から除外してしまいます。つまり、「既知の未知」以外は「場外」であるとして排除してしまうのです。

 

同様の話として、会議中の持ち込みPCによる「内職」の是非があります。ノートPCが一人一台という形で職場に普及し始めたころは、会議にPCを持ち込んでカタカタ何か作業をするのは(議事録を専門に取っている書記のような人を除けば)基本的には白い目で見られていました。

ところがこれはいまではむしろ、必ずしも自分に関係ある議題ばかりではない会議時間の有効活用として必須の行動様式ともいえるのではないでしょうか?

このように、常識の否定の先にあるものは往々にして次の世代の常識になるのです。

「無知の無知」は往々にして「常識人」が陥りやすいワナです。問題は「常識を疑うことから」であることは、以前にお話した「常識を疑え」というメッセージともつながってくることになります。

次回の「問題発見」の練習問題

ここまでの話の応用として、以下の「非常識発言」から新たな問題(=未来への機会)が見つけられないか、考えて下さい。

「時間を守ることは社会人としての常識中の常識である」

これはどのような場面で有効なのか、逆にどのような場面では有効でない可能性があるのかを考えてみて下さい。