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「スマホをいじりながら話を聞く人」に怒ってはいけない理由

連載『問題発見力を鍛える』vol.6
新しい問題を発見するには、「常識人」であってはいけない。若手経営者に大きな影響力を持つコンサルタント・細谷功氏が、「問題発見力」を詳細に解き明かす連載第6回!

「目の前でスマホをいじる」をどうとらえるか?

前回の連載の問いかけ、「皆さんは自分の話を聞きながらスマホをいじり始めた人を見てどう思うでしょうか?」について考えてみましょう。

9割方予想される反応は「人の話を真面目に聞け!」と感じることでしょう。

相手が目下の人であれば怒って取り上げる、目上の人であったなら口には出せないものの、間違いなくいら立ちが募ってくるに違いありません。

 

そもそも他人の話を聞く場合には、「相手の目を見て真剣に聞く」ことが重要であることは、「常識中の常識」と言ってよいでしょう。また百歩譲って内気な人や相手が「畏れ多い」場合には目を合わせられないことがあったとしても、そこで「他のことをしながら話を聞く」などというのは言語道断であり、「非常識中の非常識」といえると思います。

もちろんこのような常識というのは9割方(あるいは99%)の状況においては正しい判断になるのですが、ここに「問題発見」に関するヒントが隠れています。ここで考慮すべきは、その相手がなぜスマホをいじっていたかです。

「スマホをいじる人」の方が真剣に話を聞いている?

もちろん関係ない知人にSNSのメッセージを送っていたとか、趣味の情報をネットで検索しているとしたら「言語道断」であることは変わりません。ただしそれがいま聞いた言葉がわからなかったので、その意味を調べているとしたら、あるいはいま聞いた数字の信ぴょう性に疑念を抱いて様々な情報ソースで確認を取っているとしたらどうでしょう?

相手の目を見ることで「真剣なふりをする」ことだってできます。真剣に相手の目を見ながら「お腹が空いたなあ・・・」と次のごはんのことを考えている人と、目をそらしてスマホをいじりながら、相手の話の裏付けをとって反応しようとしている人、どちらが話している側にとって「真剣な」態度であることは明白でしょう。

さらにこの先技術がさらに進化すれば、多くの人がウェアラブルデバイスを身に付ける時代が来るかも知れません。そうなれば例えばウェアラブルグラスを付けていれば、キーボードなしで人の話を「関連情報を検索しながら聞く」なんていうのが当たり前になるかも知れません。そうなればその人の視線は自動的に「泳ぐ」なんてこともあり得るでしょう。

開発が進むウェアラブルグラス(photo by gettyimages)