『Hanako』は、デザートコースを出す店まで登場していることを紹介している。

10年ほど前に、自由が丘スイーツフォレストがデザートコースのイベント企画を成功させたことがある。イベントとして人気だったそれが今や、常設店でも成立する時代になっている。

インターネットで予約する代々木上原の「ラストノート」では、客の要望に合わせてコースを提供。ランチは5皿のお任せコースである。

大人向けなら、素材や組み合わせ方も自由度が増すし、甘くないものも、高級なものも使える。自由度が増した分だけトレンドが生じやすくなっているともいえる。数年前から流行するパフェは2000円台のものまであり、明らかに大人を狙って販売されている。

少子高齢化がスイーツを変えた

平成に入った頃から加速した少子高齢化は、スイーツの世界を変えた。

昭和に隆盛を誇った町の洋菓子店はもともと、子供の誕生日やクリスマス、主婦が互いの家を訪問するときに重宝したお持たせの生ケーキなどが人気だった。

そうした子供を中心にした、あるいは主婦を中心にした消費は今もあるとはいえ、そのウエイトは下がり続けている。そのため、海外へ進出していく飲食ビジネスも多い。

子ども相手ではなく、多彩な味を求めていて、価値を認めれば単価が高くても受け入れる大人に向けて、新しいものを生み出す職人たちが増えている。

それはもしかすると、パティシエたちの仕事の自由度を高め、新たなものを生み出すイノベーションの時代をもたらしたのかもしれない。

洋菓子店の倒産増加は残念な話だが、もしかするとこの令和の初めは、スイーツ業界の世代交代が顕著になった時代だと言えるかもしれない。閉店した店の中には、後継者がいなかった店もきっとあるだろう。