一つ目は、予約制、曜日限定、フリーランスなどの新しい営業スタイル。

洋菓子店で売られる生ケーキは、その日じゅうに食べなければダメになる。売れ残ったケーキはゴミ箱行きになりがちでフードロスになってしまう。

しかし、予約制にすればロスは発生させないで済む。売り上げの予測ができる点も、店にとってメリットが大きい。

客にとっては、特別感が味わえ、楽しみは増える。しかし、店頭で選ぶ楽しみはないし、どんなスイーツが出来上がるかあらかじめ知っている人、その店のものをどうしても食べたい、と期待している人しか注文はしない。

つまり、よほど信用されている、あるいはファンが多い店、パティシエにしかできない商売の仕方といえる。それでも、そういう人たちが登場しているのは、SNSなどで情報を拡散しやすい時代だからだろう。

実際、フリーランスは、最近幅広い業種に広がっている。食の世界ではフードトラックも住所が特定されない一種のフリーランスと言えるし、出張料理人もいる。スイーツの世界にもフリーランスのパティシエたちが登場するのは、時代の流れと言える。

『料理通信』には、5人もフリーパティシエが紹介されている。それも首都圏だけでなく、兵庫県養父市、山梨県甲斐市、三重県津市の人がいる。フリーが成り立つのは都市部、という従来のイメージに納まらなくなっているのだ。