洋菓子店に未来はないのか

ストレスが多いときほど欲しくなる、スイーツ。その世界は、どうやら新しい時代に突入したらしい。たとえば従来型の洋菓子店の倒産が増える一方で、時代に対応した新しいスタイルのスイーツ店が次々と誕生している。

帝国データバンクの調査で、2019年の倒産件数が2000年以来最多だった2018年を上回ることがほぼ確実、と朝日新聞に出たのは2019年11月19日。背景にはコンビニとの競合、人材難による人件費の上昇、原材料費の高騰などがあるとしている。

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さらに消費者の嗜好も変化して、ケーキへの支出自体が減っていると記事は伝える。だからといって、人々の甘いものやおやつへの嗜好が消えたわけではない。近年のスイーツブームの舞台は、洋菓子店ではないことが多いだけなのだ。

コンビニを中心にしたチョコミントブーム、専門店によるドーナツ、ポップコーン、パンケーキの人気。やはり専門店の高級かき氷やタピオカドリンク、産地を特定したビーン・トゥ・バーのチョコレート。巷にあふれた人気スイーツは、どれも洋菓子店で買えないものばかり。ケーキ屋にはもう未来はないのか……?

新しい営業スタイル

ところが2020年に入って、女性読者が中心のグルメ雑誌がこぞってスイーツ特集を組んだ。

『料理通信』2月号、『ELLE gourmet(エル・グルメ)』3月号、『Hanako』3月号。バレンタインシーズンだからチョコレートかと思ったら違った。3誌が描くスイーツトレンドの特徴は、大きく分けて三つある。順に考えていこう。