習近平は失脚も? 中国でコロナ後に待つ共産党「大粛清」のゆくえ

難局のあとには、必ず…
矢板 明夫 プロフィール

コロナ「責任追及」の政局へ

共産党関係者によれば、任氏が連行されたことは、党内外で大きな波紋を広げた。任氏は企業家として国内で高い知名度があるだけではなく、多くの党長老とも親交があった。

任氏と近い企業家たちはすぐに連名で党中央に手紙を書き、任氏の解放を求めた。それから、党長老も習指導部に対し「多様な意見を容認すべきだ」との書簡を送ったという。

 

北京の共産党関係者によれば、習氏周辺は当初、任志強氏を起訴する予定だったが、党内の反発が想像よりはるかに大きかったため、断念した。今後、任氏は党内の処分にとどまる可能性が大きいといわれる。

習氏が王氏に妥協した背景には、近年の一連の失政に伴い、党内で習グループの孤立化が進んでいることと、これ以上敵を増やしたくないという思惑があるとみられる。

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一方、今回の党内の攻防に勝利した王氏にとっては収穫が大きい。今後、党内における王氏の影響力はさらに高まるだろう。

共産党関係者によれば、いまは感染症対策で中央も地方も手一杯だが、収束したあとは責任追及の政局になる可能性が高い。