習近平は失脚も? 中国でコロナ後に待つ共産党「大粛清」のゆくえ

難局のあとには、必ず…
矢板 明夫 プロフィール

「皇帝の座にしがみつくピエロ」

文章は中国政府の新型コロナウイルス対策を厳しく批判し、感染が拡大した理由を「言論の自由がないためだ」と指摘した。習氏については名指しを避けながらも、「化けの皮がはがれても皇帝の座にしがみ付こうとしているピエロ」と揶揄し、「遠くない将来、共産党はこの悪夢から目が覚め、もう一度『四人組』を打倒し、この民族と国家を救うかもしれない」と予測した。

 

「四人組の打倒」とは、1976年10月、中国建国の父・毛沢東が死去した後、極左路線を推進する毛夫人の江青女史らが失脚させられた事件を指す。その後、政治の主導権を握った鄧小平グループは改革開放の道を歩み始め、高度経済成長を実現させた。

任氏がこの文章で念頭においている新しい「四人組」とは、習氏とその側近の栗戦書・全国人民代表大会常務委員長、北京市の蔡奇書記、重慶市の陳爾書記の四人を指しているのではないかといわれている。任氏の文章は、読み方によっては、政変を呼び掛ける「檄文」とも受け止められる。

Photo by gettyimages

任氏と王氏は中学時代からの付き合いで、近年もよく深夜に長電話をする仲として知られる。任氏はこれまでも政府に苦言を呈し話題を集めたことがあったが、今回の文章の内容はあまりにも過激なため、「背後にいる王氏の意図があるのではないか」ともいわれた。

任氏は3月12日ごろから、治安当局者に連行され一時連絡が取れなくなったが、3月末になってから北京郊外の施設にいることが判明し、家族とも連絡がとれるようになったという。