習近平は失脚も? 中国でコロナ後に待つ共産党「大粛清」のゆくえ

難局のあとには、必ず…
矢板 明夫 プロフィール

反・習近平の「檄文」が流れた

共産党の長老、姚依林元政治局常務委員の娘婿である王氏は、習氏と同じく元高級幹部子弟で構成される「太子党」とよばれるグループに所属し、習氏との関係は極めて良好だった。

一期目の習政権(2012~2017)では、王氏は党の規律部門を束ねて反腐敗キャンペーンを主導し、習氏の政敵を次々と失脚に追い込んだ。

 

2017年秋の党大会で、定年を超えた王氏は党の役職から退いたが、習氏に請われる形で外交と国際金融を担当する国家副主席に就任した。

しかし、その後に起きた米中貿易戦争で、強硬姿勢を貫く習氏に対し王氏が不満を持ち、習氏も担当外のことに口出しする王氏を敬遠するようになり、二人の距離は少しずつ開いていった。

今年の2月下旬、王氏と関係の深い民営企業の海南航空が突然、国の管理下に置かれ、国有化される方針が固まった。海南航空は昨年から経営危機に陥っており、経営陣は立て直しに力を入れていたところだった。そこへ政府からいきなり専門家チームが送り込まれ、経営陣を奪った形となった。今後、旧経営陣の責任が追及され、捜査の手が王氏に及ぶ可能性もある。習氏による王氏への嫌がらせの一環ともいわれている。

一方でほぼ同じ時期に、海外の中国語サイトに、王氏に近い著名な企業家・任志強氏による「習近平批判」とも受け取れる文章が出回り、大きな話題となった。