習近平は失脚も? 中国でコロナ後に待つ共産党「大粛清」のゆくえ

難局のあとには、必ず…
矢板 明夫 プロフィール

「湖北省トップ更迭」の裏側

習氏と王氏の対立を裏付ける状況証拠はいくつもあった。

まずは王氏の側近で、湖北省の蒋超良・同省党委員会書記が2月中旬に更迭されたことだ。金融問題の専門家だった蒋氏は1990年代末のアジア金融危機の際、当時の広東省副省長の王氏の右腕として活躍したことをきっかけに政界入りし、国家開発銀行の頭取、吉林省長などを経て、2016年秋から湖北省のトップとなった。

蒋超良氏(Photo by gettyimages)

昨年12月から湖北省でコロナウイルスの感染が拡大したことについて、蒋氏はすぐに党中央に報告したが、「公表するな」と指示されたため、黙殺した。その後、情報隠蔽の張本人と批判された。

習近平指導部は2月13日に蒋氏の更迭を発表した。その後、蒋氏は北京に呼び戻されて実質的に軟禁され、厳しい処罰も検討されたという。

 

こうした現場の幹部に責任を押し付ける習氏のやり方に対し、蒋氏の後ろ盾である王氏は、大きな不満を持っていた。

共産党内部に詳しい北京の関係者によれば、蒋氏の扱いをめぐって王氏が習氏に何度も交渉を持ちかけたことが習氏の逆鱗に触れてしまい、二人の関係悪化は決定的になった。