〔PHOTO〕iStock

新型コロナ危機に、あなたは「日本人でよかった」と思いますか?

その「気分」を分析する

960億円が労働者に支払われた

本稿執筆時点(2020年4月6日)では、新型コロナウイルスの感染拡大に揺れる日本で、緊急事態宣言がいよいよ秒読みに入ったようである。

私の住むニュージーランドでは、感染者が50人を超えた3月25日に非常事態宣言がなされ、同日午後11時59分より少なくとも4週間のロックダウンに入った。食料や薬など必要不可欠な買い物や緊急で病院に赴く場合など一部の例外を除き、外出禁止となった。

ロックダウンで人がまばらになったニュージーランドのウェリントン〔PHOTO〕Gettyimages

翌26日には15億NZドル(約960億円)が、給与支援の対象となるおよそ25万人の労働者に直ちに支払われた。政府の命令に違反するビジネスは少なくとも4000NZドル(約33万円)の罰金、場合によっては3ヶ月から6ヶ月の禁固刑が適用されることとなった。

翌27日には、外出禁止例に違反する個人を厳正に取り締まると政府は言明し、以来、数名の悪質な違反者を逮捕している。こうしたロックダウンは民間防衛非常事態管理法(Civil Defence Emergency Management Act 2002)に基づいて施行されたが、ロックダウンと同時に弱者救済を行う行動の迅速さには瞠目すべきものがあった。

無論、ロックダウンはとてつもない経済的コストを伴う。実際、政府による救済策にもかかわらず、業種によっては多くの人々が解雇されつつある。それにもかかわらず、ロックダウンに対する反対意見は、各種報道を観察する限り全く見受けられないのが印象的である。

 

そもそも近代国民国家の存在理由のひとつが自国民の安全確保にあることはいうまでもない。「目に見えない敵」であるウイルスの感染から一人でも多くの国民を守ることで、犠牲者を最小限に食い止めることは、国家にとって至上課題であるはずであり、そのことに異議を唱える人はいない。

ジャシンダ・アダーン首相のリーダーシップには毎日のように称賛の声が寄せられている一方、首相は毎日行われる記者会見で国民(および居住者)一人ひとりの努力に信頼を寄せていることを強調している。