Image by iStock

「妻の無償労働」に頼りきりで生きてきた男たちの末路

家事もできず、支出は増え…

「妻」に先立たれた途端の悲劇

その80代の男性は、妻をがんで亡くしてから独り身の生活が続いていたという。

終活コンサルタントの安藤信平氏が訪れた男性の自宅は、「悲惨」のひと言に尽きた。安藤氏が言う。

「玄関を入ったらゴミの山で、足の踏み場がなく、異臭を放っていました。排泄をお風呂でしていた様子もありました。もともと片付けが苦手な方だったようですが、身の回りのことをすべて奥さんに任せていました。

奥さんの死後、話し相手もおらず、寂しさを紛らすために酒におぼれ、栄養バランスもおかしくなった。被害妄想も出て、怒りっぽくなり情緒不安定になっていました」

Image by iStock

男性は、最後は腎臓を壊して亡くなったという。

妻に先立たれる可能性を考えて準備しておかないと、夫を悲劇が襲いかねない。ひとつは、経済的な問題だ。

 

「夫を亡くした妻に比べると、妻を亡くした夫のほうが経済的に打撃を受けます。一般に前者のほうが大変のように思われますが、妻には遺産相続に加えて遺族年金や死亡保険金が入るケースが多い。

しかし妻を亡くした夫の場合、専業主婦だった妻の分の年金が単純に減るだけのことが多く、経済的に苦しくなるのです」(シニア生活文化研究所所長・小谷みどり氏)

唯一の収入である年金だけではない。家事ができない夫が独り身になれば、おカネに直結する。

「妻がやっていたような家事ができなければ、そのぶん支出が増えてしまいます。料理ができずにスーパーで弁当を買う人は食費がかさんでいきますし、洗濯や掃除もできなければ外注するしかない。

それだけ妻が無償労働をしていたということになりますが、夫のほうが貧困に陥りやすいのです」(小谷氏)