悪性リンパ腫の正体とは?

人工乳房を使った女性に発症した特殊な悪性リンパ腫(ブレスト・インプラント関連未分化大細胞型リンパ腫=BIA-ALCL)の発症については、再建後平均8年、最長28年との報告があります。

発症数は、年間10万例のうち0.1~0.3件、25万例のうち1件。欧米の患者さんが中心(白人の豊胸手術をした人に多い)で、アジアではタイで1例、韓国で1例(ただし、この人はアラガン社の人工乳房ではない)、日本で1例(17年前に再建した方)。日本での発症率は0.02%以下という比較的低い確率となっています。

こうしたデータをふまえて、岩平先生は、乳房再建を不必要に怖がっている女性たちに向けてこう訴えています。

「この特殊な悪性リンパ腫を必要以上に怖がる必要はありません。大切なことは、こういう病気が存在するということを知っていることです。今、入っている人工乳房を抜かなければならないというほどの緊急性はないと厚労省も言っています。この悪性リンパ腫になる確率は、乳がんになっていない健康な側の乳房が乳がんになるよりも、ホルモン剤の副作用で子宮がんになるよりも、小さいのです。

ぜひ忘れないで欲しいことは、人工乳房を入れている以上、1年に1回の診察を怠らないことです。そしてもし、その間に急に腫れてきたり、水が溜まっている気がする場合は、すぐに受診できる関係性を乳房再建の主治医と保っていること。

万が一、悪性リンパ腫が判明した場合でも、早期であればインプラント抜去と被膜の切除で完治できます。過度に心配しないで欲しいです。

重ねて伝えたいのは、エキスパンダーが入っている人は、ただほかの製品を漫然と待っているだけなら破損のリスクがあります。なるべく早く、人工乳房への入れ替え手術を行うようお勧めします」