人工乳房のデマが横行している

岩平先生はこう主張します。

「アラガン社の代替品(スムースタイプのラウンド型、悪性リンパ腫の発生は今のところない)も、回収品(テクスチャードタイプのアナトミカル型、悪性リンパ腫を起こしたもの)も、被膜拘縮のリスク率は、ほとんど同じです。回収品が若干多い程度で、約2%しか差がありません。どちらのタイプでも、被膜拘縮はあり得るのです。
また、ラウンド(お椀)型の代替品だと、日本女性はきれいに乳房再建できないというのは、デマです。もちろん、その方の乳房の形や体型もありますが、小ぶりな乳房の女性でもラウンド型で満足いただける乳房再建ができます。アナトミカル(しずく)型なら、必ずきれいな再建ができるとは限らないのです。

さらに、悪性リンパ腫の発生率で言えば、アラガン社以外の他社のテクスチャードタイプの人工乳房が、悪性リンパ腫にならないとは言い切れません」

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岩平先生が話すように、発症した悪性リンパ腫(573人)のうち、他社のシエントラ社(アメリカ)のテクスチャードタイプが約4%、メンター社(アメリカ)が約7%というデータもあります。確かに回収されたアラガン社のものは、発症した悪性リンパ腫(573人)のうち84%を占めています。しかし、この回収品は、この25年で最も売れていた製品だったから、という見方もできます。

「悪性リンパ腫を必要以上に怖がるなら、他社のテクスチャードタイプもダメということになるのです。

そもそも、“今の新承認された代替品を被膜拘縮があるから使わない”“海外の他社のものにもっと良いものがあるからそれが承認されるまで待つ”…と発言している医師たちは、海外の他社の人工乳房を使った経験があったり、詳細に調べて発言しているのか、と疑問になります。

当クリニックでは、下記に挙げたすべての人工乳房を使った経験があり、メーカーから現物や資料を取り寄せて、詳細に検討しています」(岩平先生)