乳房再建に新たな問題が…

乳がんの乳房再建に用いる人工乳房(シリコン・インプラント)によって、特殊なリンパ腫(ブレスト・インプラント関連未分化大細胞型リンパ腫=BIA-ALCL)を発症するケースが日本国内で1例確認されたのは、昨年夏のこと。それに先だって、欧米でも同様のリンパ腫が発見されていました。

この人工乳房は、アラガン社のものでした。同社はアイルランドの大手製薬企業で、同じ人工乳房は、欧州、米国でも広く使われています。米食品医薬品局(FDA)は、昨年7月、「このリンパ腫を発症した人は世界で573人、関連があるとみられる死者が世界で33人に上る」と発表しています。

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そのため、米国のアラガン社とともに、日本国内の発売・製造元であるアラガン・ジャパンが、国内で承認されていた1種類しかない人工乳房を自主回収。私たち乳がん経験者や治療中の女性に大変ショッキングな出来事となりました。

その後、乳がん体験者たちの活動により、人工乳房の回収品の“代替品(スムースタイプのラウンド型、アラガン社製)”が異例の速さで承認され、なんとか人工乳房による乳房再建への道が保たれたかと思っていました。ところが、今こんな問題が浮上しています。

それは、医師から「もう少し様子をみましょう。まだ、待ちましょう」と言われ、人工乳房を入れる前の皮膚と筋肉を伸ばすためのエキスパンダー(乳房の拡張器)を1年以上、入れたままにしている人が現在でも少なからずいることです。