新型コロナ、日本人が危機感を持つべき「人獣共通感染症」の恐怖

"動物利用"を見直すときがきている
岡田 千尋 プロフィール

鳥インフルエンザ

鳥インフルエンザ(H5N1)は今では多くはないが、人の感染が持続している。WHOによればこれまでに455人が死亡している(*5)。幸い国内では死亡例はなく、今のところ鳥やその死体や糞などに直接触れる環境にある場合にのみ、人に感染している。

鳥インフルエンザはもう一つある。鳥インフルエンザA(H7N9)で、2013年初頭からこれまでに確定診断患者1,565名に及び、5回の感染拡大においては感染者数の39%が死亡した(*5)

しかし、インフルエンザAはいつどのように変異をして感染爆発を起こすのか予測がつかない。豚インフルエンザのように、あるとき突然人から人へ感染爆発を起こす可能性がある。

 

恐怖心を煽らずじわじわ広まり続ける薬剤耐性菌

パンデミックとは呼ばれないが、じわじわと広まり人々の命を奪っていっているものが、薬剤耐性菌(多剤耐性菌)である。畜産業と非常に関わりが深い。

国産の鶏肉の半分以上から薬剤耐性菌が検出され2050年には年間1000万人の命を奪うと予測され、日本ではすでにたった2つだけの薬剤耐性菌によって年間8,000人の命が奪われている(*6)

より多くの薬剤耐性菌を調査すればもっと多くの死亡者数が確認されることは必至だろう。米国では統計がもう少しちゃんと進んでおり、毎年、少なくとも280万人が抗生物質耐性感染症にかかり、35,000人が死亡している(*7)

欧米でアニマルウェルフェアが一気に広がっているの理由の一つが、この薬剤耐性菌の蔓延にある。

動物を密集させ、不潔で(一見白い消毒薬できれいに見えても実際は糞尿まみれだ)、ストレスをかけ、本来の行動を発現することができない環境で、大量の動物たちを飼育をすれば、動物の免疫は下がり、病気にかかりやすくなる。ワクチンと抗生物質に頼った現在の集約的畜産は、薬剤耐性菌の温床だ。

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