4月 9日 世界で初めて音声が録音される(1860年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1860年のこの日、私たちが現在でも確認できる最古の音声が録音されました。

 

といっても、あの有名なトーマス・エジソン(Thomas Alva Edison、1847-1931)の蓄音機を使ったものではありません。世界初の録音はアメリカではなく、フランスで行われたのです。

世界初の録音機・フォノトグラフ Photo by Getty Images

1857年、フランス人技師E・L・スコット・ド・マルタンヴィル(Édouard-Léon Scott de Martinville、1817-1879)が音を録音する機械・フォノトグラフ(Phonautograph)を発明しました。この機械は、小さな樽のような振動器を煤を塗り付けた紙の上にセットし、音によって震えた振動器の動きを紙に記録することで録音を行います。

この機械には1つの欠点がありました。それは録音ができても再生ができないこと。発明当時の技術では、音の振動を紙に記録するだけで精いっぱいだったのです。しかし、録音からおよそ150年後の2008年、あるニュースが舞い込みます。

フランス科学アカデミーが最新のコンピュータを用いて、1860年4月9日の記録用紙を解析したところ、録音の再生に成功したというのです。用紙にはフランス民謡『月の光』を歌う声が記録されていました。

エジソンが蓄音機に『メリーさんのヒツジ』を録音するより17年前の記録(http://www.firstsounds.orgより)

はるか昔の音源ですから音質は良くありませんが、1世紀以上の時を超えて、幕末と同じ時代の音を聞くことができるとは、なんともロマンチックではありませんか。