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大荒れの「新型コロナ相場」、乗り切るために一番必要なもの

今こそバフェットに学べ
小出 フィッシャー 美奈 プロフィール

1987年の「ブラックマンデー」では、最初の落ち込みこそ急激だったが、金融システムは健全で、株価が底を打つのに3ヶ月程度しかかからなかった。

一方、深刻な金融危機となったリーマンショックの時は、2007年10月のピークから2009年3月に大底をつけるまで500日以上かかり、その間にダウ平均は54%下落した。

最も悲惨だったのが世界大恐慌に繋がった1929年のウォール街の大暴落だ。こちらは3年近くも株が下がり続け、その下落率はほぼ9割という凄まじいものだった。ただ大恐慌がなぜ起きたのかについては、株の暴落よりも、1万件以上に上った銀行倒産と金融システムの麻痺の方が影響が大きかったという見方が主流だ。

そして、金融システムの健全性の鍵となるのも流動性、つまりキャッシュだ。
過去の金融危機の事例を見ると、一番怖いのは「取り付け騒ぎ」。それは人々が銀行窓口に殺到した昔の取り付け騒ぎから形を変えて、今ではデジタル化された市場での「貸し渋り(信用収縮)」として瞬時に起こる。

リーマン危機もその本質は、金融機関や大手企業が短期資金を融通し合うCP(コマーシャルペーパー、企業の発行する無担保約束手形)やレポ(証券を担保とする短期貸付)市場での「取り付け騒ぎ」だった。

リーマンブラザーズなどの投資銀行は、サブプライム住宅ローンなどを担保にしたCPを発行していたが、サブプライム危機が起きた時、数千もいた取引相手から一斉に融資を敬遠され、最後には貸し手が見つからなくなってしまったのだ。

 

怖いのは、バランスシートが健全な場合でも、日常の業務に必要なキャッシュが回らなくなって、大企業ですらあっという間に潰れることだ。ベアスターンズの例では、手元資金が3日で180億ドルから20億ドルまで減ったところでニューヨーク連銀が介入した。

今回も、3月9日の週からCP市場で貸し出し金利が急上昇する「貸し渋り」が起きている。過去の教訓があるので、FRB(米国連邦準備制度)はじめ主要各国の中央銀行がCPの買取プログラムなどを再開して、流動性確保に懸命だ。

もちろん大企業だけでなく、一時閉店を余儀なくされた世界中の小売やサービス業にとっても、今は繋ぎのキャッシュが死活問題だ。各国の緊急財政支援も極めて重要になる。