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大荒れの「新型コロナ相場」、乗り切るために一番必要なもの

今こそバフェットに学べ
小出 フィッシャー 美奈 プロフィール

市場の大きな調整局面でいつも鍵となるのは「流動性」だ。流動性というのは平たく言うと、その資産がすぐキャッシュ=現金に換えられるか、換金しやすさ、という意味だ。

そして、流動性の低下と株の極端な値動きの間には関連性がある。

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なぜかというと、不安な時には、株などのリスク資産を売って現金に換えておこういう心理が働くが、皆んなが換金に走ると取引に参加する人が少なくなってしまい、売り手と買い手の「ビッド(買値)・アスク(売値)・スプレッド」が拡大するからだ。

つまり、市場には「この値段なら売ってもいいな」と最低限の売値を考えている売り手と、「この値段なら買ってもいいぞ」と最大限の買値を考えている買い手がいる。市場に沢山参加者がいれば、買い手と売り手のマッチングは容易で、すぐ換金できる(つまり流動性が高い)。しかし市場参加者が減ると需要と供給の釣合が悪くなり、買値をもっと上げないと買えず、売値をもっと下げないと売れなくなって、スプレッドが拡大する。

こうして市場の厚み(板)が薄くなって換金性が悪くなると、株の値動きも激しくなってしまうのだ。

コンピューター取引が流動性を奪った?

今、それをさらに極端なものにしているのが、株取引の過半を占めるようになったアルゴリズム取引(コンピューターによる自動発注プログラム)だと見られる。

ここ数週間、アルゴリズム取引の主戦場となっている株式指数の先物(ある期間に一定の価格で取引できる契約)やETF(指数の動きに連動する投資信託)市場で、顕著な流動性の低下やスプレッドの急拡大が見られた。

 

数量モデルに基づく運用を行うクオンツ系のヘッジファンドには、現物の株と先物やETFの僅かな価格の歪みを利用して利鞘を抜く「アービトラージ(裁定取引)」をやるものが多い。

先物やETFの方が割安なら先物やETFを買って現物株を売り、反対なら先物やETFを売って現物株を買うことでサヤ取りをするのだが、これをHFT(コンピューター高頻度自動取引)を使って、ミリセカンド=0.001秒やマイクロセカンド=0.000001秒単位で繰り返すのだ。

通常こうした取引は市場に大きなインパクトを与えないように小口に分けて発注され、大量の取引を生み出すので、HFTやアルゴリズム取引の擁護派は、それが市場に「流動性を与えている」とメリットを強調してきた。