ここにきて「新型コロナ」の日本人感染者が爆発的に増えているワケ

突然変異を繰り返し拡大
奥野 修司 プロフィール

学術誌に掲載された論文では、毒性の比較までしていないが、もしも、3月24日以降に広がり始めたCOVID-19が、それ以前のウイルスがさらに毒性が強くなるように変異したウイルス株だったら、日本もイタリアやスペインのようにならないとはだれも保証できないのである。

1鎖RNAのウイルスは常に変化しているのであって、いま、東京都を中心に感染拡大しているのは、これまでとはまったく違う可能性があることを知っていただきたい。

医師たちが危機的状況というのはこういうことなのだ。

 

さらに危機的状況を加速しているのが、日本の医療状況が公的病院の廃統合によって、いまやイタリアやスペインよりも充実しているわけではないことだ。

日本集中治療学会のHPによれば、「ドイツでは人口10万人あたり29~30床であるのに対し、イタリアは12床程度です……(日本は)ICUのベッド数は5床程度です。これはイタリアの半分以下であり、死者数から見たオーバーシュートは非常に早く訪れることが予想されます」というから、かなり深刻な事態である。

新型コロナウイルスに感染すれば普通の病院に隔離することは難しい。考えられるのは、病室の気圧を低くして、ウイルスを外に出さないようにした感染症病床だが、これがもう満杯なのである(図5)。

さらに人工呼吸器も4,000台しかない。政府はようやく緊急事態宣言を出すようだが、感染者数の予測をしていればもっと早く出せたはずだ。この信じられないほどの危機感のなさには驚くしかない。

ただ、わずかに希望が持てるのは、BCGがコロナ感染の拡大を遅らせているという情報かもしれない。そのことはサイエンスにも論文が出ているし(https://www.sciencemag.org/news/2020/03/can-century-old-tb-vaccine-steel-immune-system-against-new-coronavirus)、東北大学副学長の大隅典子教授もその有効性について詳しくブログ(https://nosumi.exblog.jp/28020527/)で書いている。

いまはBCGがコロナ感染に有効であることを祈るだけかもしれない。

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