「あれは映画、今回のウイルスは現実」
とYoutubeで映画出演者が情報を配信

さらに、『コンテイジョン』の話題は、現在進行形で続いている。というのも、映画に出演したマット・デイモン、ケイト・ウィンスレット、マリオン・コティヤール、ジェニファー・イーリー、ローレンス・フィッシュバーンらが、さまざまな視点から新型コロナウイルスの情報をyoutubeで配信しているのだ。

出典/youtube:Columbia Public Health

映画の役柄に合わせて、それぞれ特徴があるコメントを言っているのもおもしろい。映画を観た後に、この動画を見ると、「そうだよね、ケイトはCDCの感染症調査員だもんね! マリオンはWHOらしいコメントだわ!」というユニークさも味わうことができる。こんな時期だからこそ、真面目な内容でも、ウィットに富んだ演出を忘れないところも見事だ。

これは医療監修をしたイアン・リプキン医師が所属するコロンビア大学・公衆衛生大学院の監修で、監督や脚本家なども加わって実現したプロジェクトだという。5名の出演者はそれぞれ違う視点で新型コロナウイルスの対策を配信している。それぞれのメッセージの内容を要点だけ簡単に書き出してみよう。

(※名前をクリックすると彼らの動画リンクに飛びます)

【マット・デイモン】

主演のマット・デイモンは、役柄では感染しなかったが、それは映画であって、現実は違うとまず前置きをして、“SOCIAL DISTANCING(社会距離戦略)”について専門家の意見を説明し、語っている。
・人から約1.8メートル距離を取ること
・グループ、複数で集まらない
・極力部屋の中にいる
・無症状の人が感染を広げてしまう
・高熱が出る、若者が感染しないは嘘の情報である
・人と距離を取ることで命が救える
・今こそ家でのスマホ生活を提案する

【ケイト・ウィンスレット】

米国疾病対策センター(CDC)の感染症調査官で疫学者を演じたケイト・ウィンスレットは、“私たちの健康は手にかかっている”と、役作りで専門家から学んだ洗い方をわかりやすく解説している。
・手洗いは20秒以上行うことを洗い方とともに指導
・石鹸と水だけでいいこと
・マスクをしてないとき、咳をするときのエチケットの方法
・映画のシーンで出てきた、顔に触れないことを解説

【マリオン・コティヤール】

映画では、世界保健機関(WHO)の医師を演じたフランス人女優のマリオン・コティヤール。感染が広がるフランスから遠隔で動画に出演している。
彼女は、大きく2つの未来を指摘をしている。
・専門家の意見に耳を傾けて、彼らが推奨する予防法をきちんと守る未来
・私たちを救おうとしている専門家の声を無視して行動する未来

後者の専門家の声を無視する未来は医療崩壊につながり、結局は困難な状況やデマを生んでしまうことを指摘し、専門家の声を聞く未来が大切なことを丁寧に伝えている。また、一人暮らしの人は安全確認し合える人を見つけること、食料等の確保など、助けが必要な人や家族がいる人はどうすればいいか早めに確認しておくことなど、もアドバイスしている。

【ジェニファー・イーリー】

映画では、ワクチン開発に奮闘するCDCの科学者を演じたジェニファー・イーリーは、役柄通り、“ワクチンについて”わかりやすく解説している。
注目すべきは、冒頭に各地で広まっているウイルスやワクチンに関する差別やデマに対する見解を述べている点だ。
・このウイルスは、中国ウイルスではなく、若い人や健康な人は感染しないウイルスではないこと
・ワクチン開発にさまざまなデマが流れたがそういったものに流されず、科学者や医師の声を聞くこと
・ワクチンを安全に届けるためには時間を要し、科学者は16~18ヵ月かかる見解もあり、開発されるまで互いに思いやりが持てる存在になること

【ローレンス・フィッシュバーン】

最後に、CDCを統括するチーヴァー博士を演じた名優ローレンス・フィッシュバーンは、映画のウイルスは架空だが、新型コロナウイルスは紛れもない現実であると、“新型コロナウイルスを食い止める方法”を総括的に語っている。
・パンデミックとはどこにでもウイルスがいることを示しているが、それがずっと続くわけではないこと
・米国の専門家は、半数以上が感染する可能性があると予測しているので、身近な人がかかる可能性があること
・だからこそ予防のために今やれることをやり、医療の現場で戦う人たちを見守ることが大事だということ

毎日恐ろしいニュースが続くが、科学者たちは、研究を続けることで、ウイルスとの戦い方を学び治療法を見つけていく、それまでは私たち自身の行動を治療法として考えていくことが大事だと伝えている。

アメリカは日本以上に大変な状況にあるにもかかわらず、非常に冷静に情報を配信をしている点も見逃せない。

そして、映画『コンティジョン』は、netflixでも、アマゾンプライムyoutubegooglePlayU-nextなど多くのメディアでも見ることが出来る。映画のラストシーンはここには書かないが、そこにもまた「そうか……!」という気づきがある。新型コロナウイルスへの対応やマインド、医療者に対する思いはもちろんのこと、感染症を生む環境とは何か、私がちが今後できることはあるのか、そんなことを考えさせる作品でもあるのだ。