「森友事件」の籠池泰典がはじめて明かす、日本会議「草の根の凄み」

戦前・戦中が静かに甦る
佐藤 優 プロフィール

ボクとしては「12の徳目」(「孝行」「謙遜」「義勇」など)の内容について園児たちに一緒に考えてほしかっただけで、何も押しつける気持ちは毛頭なかった。

規律に従う盲目的な人間を育てるため、園児に暗唱させたのではない。

Image by iStock

古い日本語のイントネーションを身体に刻みつけ、美しい言葉を話せるようになって欲しいと思っていたのだ。

戦時中など過去の歴史を振り返れば、教育勅語が国の隅々まで軍国主義を行き渡らせるため、一つの重要なツールになった点は認識していた。

だが、「だからといっていい部分はあるんだから、全否定しなくてもいいんじゃないの」くらいに思っていた。

「教育勅語の文言そのものが、現行憲法で謳われる国民主権の考えと並立できない」という批判もあった。それに対しては、ボク自身が絶対天皇主義者であるがゆえ、極めて鈍感だった〉

 

籠池氏は、教育勅語を子どもたちにわかりやすく行動原理を伝えられる「言葉」と位置付けた上で、〈ボクとしては「12の徳目」(「孝行」「謙遜」「義勇」など)の内容について園児たちに一緒に考えてほしかった〉と強調する。

極端に右翼的な思想を抱く人でなく、保守派の大多数がこのような言説を支持すると思う。この言説の背景にあるのも、天皇による教育勅語で示された道徳指針は、日本人の習俗であるという認識だ。

これも国家神道の価値観だ。自民党の地方組織では、このような思想を持つ草の根からの保守層が無視できない影響力を持っている。