なぜ韓国・文在寅政権は「コロナ抑え込み」に健闘できているのか

日本も参考にできるところがある
牧野 愛博 プロフィール

すべてが「合理的」ではないが…

2019年5月にハンガリーの首都ブタペストを流れるドナウ川で遊覧船が沈没し、韓国人観光客らが死亡した事件では、康京和(カン・ギョンファ)外相を現地に派遣した。日本政府関係者は「我が国なら外務省領事局長か、せいぜい副大臣が担当する案件」と目を丸くした。当時も、韓国の野党関係者からは「セウォル号事件で政権を非難していた自分たちに、ブーメランが返ってくることを恐れたからだ」という指摘が上がっていた。

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こうした事情が、文在寅政権を徹底的な情報公開に走らせたと言えそうだ。結果的には、トランプ米大統領や欧米メディアが韓国のコロナ対策を評価することにもつながった。

 

別の日本政府関係者は「徹底的な感染者検査は本来、水際対策段階でやるものだし、中国に対する入国制限問題など、韓国の政策全てが合理的とは言えない。ただ、情報公開のやり方はある程度参考になる」と語る。

罰則などで強制力を持たせるわけではないが、徹底した情報公開をすれば、市民はコロナへの感染を恐れて自然とその場所を避けるようになる。そう考える市民の需要に応えて、感染しやすい場所を表示するアプリも韓国では次々に登場しているという。