新型コロナ、現場医師が迫られる「命の選別」〜あまりに重い決断

「誰を助けて、誰を見捨てるのか」
週刊現代 プロフィール

パリにあるサン・タントワーヌ病院の集中治療室長、ベルトラン・ギデ氏はこう語っている。

「われわれは戦争状態にある。戦場では、手の施しようがないと判断された重度の負傷者は治療しない」

現場医師は戦場のような病院で、自分の身を危険にさらしながら命の選別をし続ける。同様の事態が日本で起こらないとは言い切れない。

 

東京都の場合、新型コロナを受け入れる感染症指定医療機関の受け入れ可能患者数は140人だ。ところが、入院中の感染者数は4月1日の時点で531人にものぼる。あふれた分は、民間病院が引き受けている。

現時点では民間も含め、新型コロナの患者のために確保できているのはたったの620床で、パンクするのは時間の問題だ。

感染者の増加に対応し、東京都は病床数を計4000床まで増やす予定だ。ところが、国の試算による入院患者の予測数は、東京ではピーク時で一日2万500人にものぼる。

もし国の試算通りに新型コロナの感染が拡大すれば、まず東京都内から「命の選別」が始まるだろう。

地方では、感染症に対応できる病院が少ないため、用意できるベッド数が限られている。静岡県では4月1日時点で、13人が感染しただけで、新型コロナウイルスに対応できる病床がすべて埋まってしまった。