「社内弱者」ワーママに増える攻撃

仕事面だけでなく、コロナによる閉塞感や景気悪化により職場の人間関係にも影響が出始めています。3月初旬、突然の一斉休校を受けて小学生の子供を持つママ・パパ社員から悲鳴が上がりました。夫婦で交代に在宅勤務を取り入れ、なんとか仕事を継続している子育て家庭に対してSNS上では「ワーママだけ在宅勤務ができてずるい」「ワーママが多い部署は仕事が進まず迷惑」という心ない投稿も目にしました(次第に全社への在宅勤務が増えてワーママだけ……という声はほとんどなくなりましたが)。

すでに新入社員の内定取り消し、新規採用のストップ、自宅待機による給与ダウン、さらには契約終了といった雇用調整も始まっています。このような状況で社内がギスギスしないわけがありません。仕方がないとわかっていても、ワーキングマザーが定時前にそそくさと退社する姿に「危機感が無いなぁ」とため息をついたり、「〇〇さんは早く帰れていいね」とこれ見よがしに嫌味を言ったり。残念ながらそんな上司の言動に傷ついたという声が増えています。

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たとえ時短勤務になった分の給与が下がっていても、たとえ目標はフルタイムの時と同じでも、たとえ急な子供の発熱に備えて前倒しで仕事を進めていても、会社に対して申し訳ない気持ちでいっぱいのワーママはそんな上司に対して言い返すことはしません。

リーマンショックの時を振り返ると、組織の状態が悪くなるにつれて攻撃されるのは決まって「新入社員や若手社員」「パート・契約社員などの非正規社員」「ワーキングマザーなどの就業制限のある社員」といった「社内弱者」でした。新型コロナによる自粛が進むことにより経済環境が悪化し、これら社内弱者が雇用打ち切りやハラスメントといったリーマンショックの時と同じ目に合わないよう心から祈るばかりです。