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新型コロナ「ロックダウン」の効果とは?史上最悪のパンデミックの教訓

やるなら今だが、効果は…

ロックダウン神話

少なくとも先進国では、医学が未発達で人権意識も希薄だった時代の過去の遺物と思われていた隔離検疫や地域封鎖などの公衆衛生措置――いわゆるロックダウン――が、2020年のいま世界中で行われている。

いうまでもなく、これらは新型コロナウイルス肺炎への対策だ。

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人間から人間にうつる感染症、すなわち伝染病の場合、感染した人間と感染していない人が接しなければ、病気が広がることはない、という点は当たり前だ。

ロックダウンのときは、そこから一歩進んで、感染者やハイリスクな人だけでなく健康人も含めて、人間と人間が接しないようにする政策がとられる。

社会活動の全体にはマイナスの影響になるだろうが、私も医師として、欧米での惨状を受けた3月末以降、医学界での切羽詰まった危機意識は実感している。

そこで、感染者数の爆発的な増加を避けるために人びとの意識を変える抜本的対策――いわゆるロックダウン――が必要かもしれないと考えている。

だが、どんな行動が制限されるべきなのか、人びとがそもそもそのルールを守れるか、外出制限でも生活できるだけの経済的余裕がある人はどのくらいの割合か、などの要素が影響し、ロックダウンがどれだけ「本当に」封鎖になっているかの実態は不明なことが多い。

十把一絡げにされるロックダウンはどうすれば本当に有効性があるのかを冷静に見ておく必要がある。

 

ロックダウンを宣言するリーダーを持ち上げる物語は、ドラマチックで格好いい上に分かりやすいが、リアルワールドの複雑さとはかけ離れた絵空事になりがちだ。

その一つが、巷に流布している1918~19年のスペイン・インフルエンザ流行の際の米国の都市での公衆衛生政策についての物語だ。